単価・回転・保管期間で、私はこう分ける(判断基準)
では、実際に私がどう使い分けているか。判断の軸は大きく3つです。単価・回転・保管期間。この3つで、たいていの商品はどちらかに寄せられます。
① 単価(1個あたりの利益額)
いちばん効いてくるのが、その商品1個で残る利益額です。FBAは便利ですが、配送代行手数料と保管料が乗るぶん、利益が薄い商品ほど、手数料に利益を食われやすい。逆に単価が高く、1個の利益が厚い商品は、多少の手数料を払ってもFBAの手軽さ・売れやすさのメリットが上回りやすい、と感じています。
- 利益が薄い商品 → 手数料の重さが効くので、自己発送を検討
- 利益が厚い商品 → 手数料を払ってでもFBAの手軽さ・プライムの売れやすさを取る
② 回転(どれくらい早く売れるか)
次が回転の速さです。すぐ売れる見込みの商品はFBA向きだと思っています。倉庫に入れてすぐ売れれば保管料はほとんどかからず、プライムで売れやすくなる恩恵だけを受けられるからです。反対に、売れるまで時間がかかりそうな商品をFBAに入れると、その間ずっと保管料が乗り続ける。ここは自己発送で自宅に置いておくほうが、コストを抑えやすい場面です。
③ 保管期間(長く在庫として抱えそうか)
②と重なりますが、長期保管になりそうな商品ほどFBAは不利になります。Amazonの倉庫は、長く預けるほど保管料が上がる仕組みで、売れ残るほどジワジワ利益が削られていく。季節ものやニッチで回転が読みにくい商品は、私は自己発送で手元に置き、様子を見ながら売ることが多いです。
まとめると、私の中の分け方はこうです。
- 単価が高い × 回転が速い → 迷わずFBA。手数料を払う価値がいちばん出る
- 単価が薄い × 回転が読めない・遅い → 自己発送。手数料と保管料で利益が消えるのを避ける
- どちらとも言えない → 損益分岐点を数字でざっくり出して決める(後述)
大事なのは、「全部FBA」「全部自己発送」で思考停止しないことだと思っています。同じ人でも、扱う商品によって最適解は変わる。1商品ごとに、この3つの軸で見てあげるだけで、手元に残る利益はけっこう変わってきます。

FBAが向いてる商品・自己発送が向いてる商品(具体例)
軸だけだと少し抽象的なので、私の感覚での「向いている商品」を具体的に挙げてみます。あくまで一例で、実際は個別に計算して判断しますが、ざっくりのイメージとして。
FBAが向いている商品
- 小さくて軽く、回転が速い定番品:サイズが小さいほどFBAの配送代行手数料は抑えやすく、すぐ売れれば保管料もかからない。プライムの売れやすさをそのまま取れる
- 1個あたりの利益が厚い商品:手数料を払っても十分に利益が残る。発送の手間をお金で消せるメリットが大きい
- 数がまとまって仕入れられる同じ商品:まとめて倉庫に送ってしまえば、あとは発送作業ゼロ。数が多いほど、自分で梱包しなくていい価値が効いてくる
自己発送が向いている商品
- 大きい・重い商品:FBAだとサイズに応じて手数料が上がりやすい。近場配送や自分で選んだ配送方法のほうが、送料を抑えられる場合がある
- 割れ物・こわれやすい商品:緩衝材でしっかり包むなど、梱包を自分の目でコントロールしたい商品。輸送事故のリスクが高いものは、自分で丁寧に送りたい
- 回転が読めない・利益の薄い商品:長期保管で保管料に利益を食われるのを避けたい。自宅に置ける範囲で、様子を見ながら売る
たとえば、割れやすい陶器や壺のような商品は、私は自己発送を選ぶことが多いです。緩衝材の巻き方ひとつで事故率が変わるので、そこは自分の手でやったほうが安心だからです。逆に、小さくてすぐ売れる定番品は、まとめてFBAに送ってしまって、発送の手間を丸ごと消してしまう。「手間をお金で買うか」「手間をかけて手数料を守るか」を、商品ごとに選んでいるイメージです。

損益分岐点の考え方(手数料・保管料・送料を数字で見る)
最後に、いちばん大事な損益分岐点の話です。難しく考える必要はなくて、要は**「FBAと自己発送、どっちが手元にお金が残るか」を1商品ずつ数字で見比べる**、それだけです。
考え方はシンプルで、それぞれのコストを引いて、最終的に残る利益がどちらが大きいかを比べます。
- FBAで残る利益 = 売値 −(仕入れ値 + 販売手数料 + 配送代行手数料 + 保管料)
- 自己発送で残る利益 = 売値 −(仕入れ値 + 販売手数料 + 送料 + 梱包資材費)
この2つを出して、大きいほうを選ぶ。たったこれだけです。ポイントは、FBA側は「配送代行手数料+保管料」、自己発送側は「送料+梱包資材費」——この部分の大小で結論がひっくり返るということ。小さくて回転の速い商品はFBA側が小さくなりやすく、大きい・重い・売れ残りそうな商品は自己発送側が小さくなりやすい。だから商品によって答えが変わるわけです。
注意点として、FBAの保管料は「どれくらいの期間預けるか」で変わります。すぐ売れる前提で計算していたのに、実際は3か月売れ残った——となると、想定より保管料がかさんで、あとから利益が削られます。私は、回転が読みにくい商品ほど「保管が長引いたらどうなるか」も一度計算しておくようにしています。
具体的な手数料の金額は、サイズ区分や時期の改定で変わるので、ここで数字を書くのは避けます。Amazon公式の「FBA料金シミュレーター(手数料計算ツール)」に、その商品の売値・サイズ・重さを入れれば、FBA時のコストはかなり正確に出せます。自己発送側は、使う配送方法の送料と、いつもの梱包資材費を足すだけ。この2つを並べれば、損益分岐点は自分で出せます。
慣れてくると、いちいち計算しなくても「これは小さくて回転も速いからFBA」「これは重くて読めないから自己発送」と、感覚で振り分けられるようになります。ただ、その感覚のベースを作るのは、最初にちゃんと数字で見比べた経験です。判断に迷う商品だけでもいいので、一度この式に当てはめてみると、自分なりの基準がぐっと固まります。

まとめ:FBAか自己発送か、正解は商品が決める
FBAと自己発送の使い分けを整理します。
- 基本の違い:FBAは「お金を払って手間と時間を買う」、自己発送は「手間をかけて手数料を節約する」。根っこはこれだけ
- 私の判断軸は3つ:単価が厚く回転が速いならFBA、単価が薄く回転が読めないなら自己発送。迷ったら数字で決める
- 向き・不向き:小さく回転の速い定番品はFBA、大きい・割れ物・読めない在庫は自己発送
- 損益分岐点:FBAと自己発送で「最終的に手元に残る利益」を1商品ずつ比べ、大きいほうを選ぶ。保管が長引いた場合も一度計算しておく
結局のところ、FBAと自己発送に、どちらが正解という答えはありません。正解を決めるのは、いつも「その商品」です。単価・回転・保管期間を見て、損益分岐点で比べる。この習慣があるだけで、同じ仕入れでも手元に残る利益が変わってきます。全部を一律にせず、1商品ずつ、いちばんお金が残るほうを選ぶ。8年やってきて、これがいちばん効くと感じています。
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