グレーの造作カウンターの上に置かれた、白と黒の据置型複合機プリンター。上部にスキャナと自動原稿送り部、下部に給紙トレイがあり、背景は縦リブの入ったグレーの壁。

メルカリ+Amazonで8年物販を続けているhiroです。

中古せどりをやっていると、たまに「買った覚えのないもの」が利益になります。

先日、中古のブラザー複合機を1台仕入れました。狙いはもちろんプリンター本体です。ところが持ち帰って中身を確認したら、本体の上に未使用の純正インクカートリッジが4本セットで載っていました。

そのインクだけを別で出品したら、¥5,200で即売れ。粗利¥4,605、利益率88.6%。

仕入れ値は¥0です。プリンター代に含まれているので、インク単体の原価はゼロ扱いにしています。

この記事は、その「副産物」の記録と、そこから引き出せる仕入れの鉄則の話です。

  • ① 何が入っていたのか——現物写真と実売データを全部公開
  • ② なぜ¥5,200で即売れしたのか——純正インクの需要構造
  • ③ 本体だけ見て判断しない——同梱物を確認する手順と、確認しないと何を損するか

発見:本体の上に、未使用の純正インクが載っていた

仕入れた白いブラザーの複合機プリンター MFC-J6983CDW を、倉庫の緑色の床の上で撮影した写真。本体の天面に、青と白のパッケージの「LC3117-4PK インクカートリッジ 4個入」の箱と、白い純正部品の箱、取扱説明書やメンテナンスシートなどの書類がまとめて載っており、その部分が赤いペンで大きく丸く囲まれている。奥には作業場の衣類ラックとオレンジ色のTRUSCO台車が写っている。

これが現物です。仕入れたのは Brother MFC-J6983CDW、A3プリント対応のインクジェット複合機です。

赤丸で囲んだところに注目してください。「LC3117-4PK」と書かれた青いパッケージが載っています。

同梱されていたもの 内容
LC3117-4PK ブラザー純正インクカートリッジ 4個入(4色パック)・未使用・未開封
白い箱 ブラザー純正の消耗品(部品箱)
書類一式 取扱説明書、メンテナンスシートなど

中古のプリンターを買うと、前の持ち主が「予備で買っておいたインク」を使い切らずに一緒に手放すことが、そこそこの頻度であります。今回もそのパターンでした。

この時点では、まだこれが利益になるかは分かりません。 純正でも、対応機種が古すぎたり、使用期限が切れていたりすると値がつかないからです。

そこで型番をそのまま調べました。


実売データ:¥0仕入→¥5,200・粗利¥4,605・販売SPEED10

プライスターの「売れたもの」画面の実画面。商品名は「【brother 純正】ブラザー工業(Brother Indus…」、注文日は2026年8月、自己発送出品・新品・売れた個数1・在庫1と表示され、右側に商品価格¥5,200・送料¥0・仕入価格¥0・ポイント0・粗利¥4,605が並んでいる。左側に販売SPEEDを示す「10」のアイコンが表示されている。

結果がこちらです。プライスターの「売れたもの」画面をそのまま載せます。

項目 数値
商品 【brother 純正】インクカートリッジ LC3117-4PK(4個入)
コンディション 新品(未使用・未開封)
出品形態 自己発送出品
販売価格 ¥5,200(送料¥0)
仕入価格 ¥0
Amazon手数料 ▲¥595(売値の11.4%)
粗利 ¥4,605
利益率 88.6%
販売SPEED 10
売れた個数 1

利益率88.6%。 過去に書いたどの記事よりも高い数字です。

ただ、この88.6%にはなんの再現性もありません。 原価がゼロだから高いだけで、狙って作れる数字ではないからです。以前も書いたとおり、利益率は仕入れが安ければ勝手に上がる指標です。

意味があるのは、率ではなく「4,605円という金額が、プリンター本体の利益とは別に湧いた」という事実のほうです。

販売SPEED10=最速クラス

プライスターの販売SPEEDは回転の速さを示す指標で、10は最速クラスです。実際、出品してすぐに売れました。

これは後述しますが、純正インクという商品の性格そのものです。

正直に:自己発送なので、送料は¥4,605から出ていく

ひとつ補足しておきます。

この¥4,605は、販売価格からAmazon手数料と仕入れ値を引いただけの数字です。FBAではなく自己発送なので、ここから実際の配送料と梱包資材費が出ていきます。

段階 金額
販売価格 ¥5,200
▲ Amazon手数料 ¥595
▲ 仕入価格 ¥0
= 画面上の粗利 ¥4,605
▲ 配送料(自己発送) 別途
▲ 梱包資材 別途
= 実際の手残り ¥4,605より少し下

インクカートリッジ4本セットは箱がそこそこ大きいので、宅配便の小さめのサイズ区分になります。それでも4,605円に対して数百円なので、結論は変わりません。


なぜ純正インクは即売れするのか

白いペーパータオルの上に置かれた、インクジェットプリンター用のインクカートリッジのクローズアップ。マゼンタ色のインクが見え、背景には黒いプリンター本体がぼけて写っている。

販売SPEED10で即売れした理由は、純正インクという商品の需要構造にあります。

特徴 内容
消耗品なので、必ずなくなる 使えば減る。プリンターを使い続ける限り、買い替え需要が永続的に発生する
型番が完全に決まっている 対応機種が合わないと物理的に入らない。「安い別の型番」で代用できない
切れてから買う人が多い 印刷したいのに印刷できない状態=急いでいる。多少高くても即決される
純正 vs 互換で悩む層がいる 互換品は安いが、目詰まりや保証の問題を嫌って純正を選ぶ人が一定数いる
中古が成立しない 使いかけのインクを買う人はいない。新品だけの市場

とくに3つめが効きます。インクが切れるのは、たいてい印刷したいタイミングです。年賀状、確定申告の書類、子どもの学校の提出物。そういう「今すぐ必要」な状況で検索されるので、価格より在庫と配送速度が優先されます。

以前のダーツシャフトの記事でも書きましたが、「同じ型番でないと困る」商品は、代替が効かないぶん価格の上限が高くなります。 純正インクはその典型です。


教訓:本体だけ見て仕入れ判断をしない

ベージュの無地の背景に置かれた茶色い薄型の段ボール箱を、両手でフタを開けている手元の俯瞰カット。指先が箱の縁にかかり、中を確認しようとしている瞬間。

ここからが、この記事でいちばん書きたかったことです。

中古品の仕入れで、本体の状態と相場だけ見て判断して、そのまま持ち帰る人は多いと思います。私も昔はそうでした。

でも実際には、箱の中にはこういうものが入っています。

同梱されていることがあるもの 単体で値がつくか
未使用の純正消耗品(インク・トナー・フィルター・パッド類) つく。今回がこれ
純正の予備部品 つくことがある
専用ケーブル・ACアダプター 単体で数千円になる型番がある
リモコン(純正) 家電では単体需要が大きい
元箱・取扱説明書・保証書 本体の売値そのものを押し上げる
メモリーカード・バッテリー つくことがある

本体の相場が¥8,000だから、¥3,000なら買い」という判断は、箱の中を見ていない時点で片手落ちです。今回のように、同梱物のほうが利益額で上回ることすらあります。

「本体が赤字でも、副産物で回収する」というパターン

これを逆から使うこともできます。

たとえば本体単体では利益が薄い、あるいはトントンという商品でも、同梱物に値がつくなら仕入れが成立することがあります。

ケース 本体 同梱物 トータル
A +¥2,000 ¥0 +¥2,000
B ▲¥500(赤字) +¥4,605 +¥4,105
C +¥2,000 +¥4,605 +¥6,605

Bのようなケースは、本体だけ見ていたら絶対に拾えません。

ただし、これには順序があります。「同梱物があるかもしれないから買う」は博打です。正しいのは、現物を確認して同梱物が「ある」と分かってから、それを織り込んで判断するという順序です。

店頭で箱を開けさせてもらえるなら開ける。開けられないなら、同梱物はゼロとして計算する。これが安全側の考え方です。


同梱物チェックの手順

木調の温かい雰囲気の店内で、しゃがんだ人物が白いシェードのランプを手に取り、付いている赤い値札タグを確かめている様子。

私が中古の家電・OA機器を仕入れるときに見ている順番です。

①その場で:外から分かる範囲を確認する

  • 箱の重さ——本体だけにしては重い場合、何か入っている
  • 本体以外の付属品の有無——「付属品完備」の表示があるか
  • 元箱つきか——元箱があると同梱物が残っている確率が上がる

②持ち帰ったら:全部出して並べる

今回の写真がまさにこの状態です。本体の上に、中から出てきたものを全部並べています。

  • 消耗品・部品類は型番を1つずつ調べる
  • 「純正」の刻印・ロゴがあるものは特に確認する
  • 説明書や保証書もまとめて確認(本体の商品説明に書ける材料になる)

③型番が読めたら、その場でスキャンする

木目のデスクの上で、白いソーラー電卓を両手で持って数字を打ち込んでいる手元。まわりにペンと書類、伝票が広がっている。

ここはツールに任せる部分です。型番やJANが読めれば、バーコードを読むだけで相場と手数料込みの粗利が出ます。

今回のインクも、箱のバーコードを読んだ時点で「¥5,000前後で売れる」と分かりました。判断にかかった時間は1分もありません。

同梱物のチェックが面倒くさく感じるのは、1点ずつ調べるのに時間がかかると思っているからです。バーコード1回で終わると分かっていれば、全部出して並べる手間は苦になりません。

④本体と別々に出品するか、セットにするか決める

これは商品によります。

出し方 向いているケース
別々に出品 同梱物が単体で確実に売れる型番のとき(今回はこれ
セットで出品 「付属品完備」が本体の価値を大きく上げるとき(ゲーム機の元箱・コントローラーなど)

今回のインクは、本体とは需要層が完全に別です。プリンター本体を買う人と、インクだけを買う人は別人。だから分けて出品するのが正解でした。


出品:新品コンディションで出せるかの確認

プチプチ(気泡緩衝材)を敷いた机の上で、両手が茶色いクラフト紙で商品を包んでいる手元のクローズアップ。脇に黒いペンとメモ帳が置かれている。

同梱物を「新品」で出すときは、1点だけ気をつけています。

未開封であることを、自分の目で確認する。

今回のLC3117-4PKは外装フィルムが未開封の状態でした。だから新品コンディションで出品しています。

もし箱が開いていたり、4本のうち1本でも欠けていたら、新品では出せません。その場合は中古コンディションにするか、前に書いたREGZAのケースのように「新品同様だが開封済み」と正直に書ける区分を選ぶことになります。

原価¥0の副産物だからといって、コンディションの判断を甘くしないこと。 ここで手を抜くと、返品とアカウント評価という形で、¥4,605とは比べものにならないコストを払います。


この1件を、1日の数字として見るとどうなるか

窓辺の古材のテーブルで、手前の手が黒いマグカップを持っている。奥にノートパソコンと水の入ったグラスがあり、窓の外の緑が柔らかくぼけている。

直近の記事で「1日の仕入れをポートフォリオとして見る」という話を書きました。今回のインクは、その文脈でも面白い位置にいます。

直近の仕入れ 1件あたりの利益 性格
DAIKOダウンライト 想定¥7,712(70.1%) Keepa3年分を読んで取りに行った狙い撃ち
ONE PIECEデッキ 想定¥161×9個(22.1%) 50%OFFのついで買い・薄利多点
TOYGERプレイマット 想定¥1,336(24.8%) 数を抑えた慎重な1個
今回のインク 確定¥4,605(88.6%) 狙っていない副産物

この4つのうち、唯一「確定」しているのが今回のインクです。他の3つはまだ売れていない想定値ですが、これだけは実際に入金される数字です。

そして皮肉なことに、いちばん時間をかけて判断した商品ではなく、いちばん偶然に近い商品が最初に現金化したわけです。

ここから言えることはひとつだけだと思っています。狙い撃ちの精度を上げる努力と、拾い漏らさない習慣は、別々に必要だということです。Keepaを3年分読む力をつけても、箱を開けなければ¥4,605は落ちたままです。


まとめ:3行まとめ

  • 中古のブラザー複合機 MFC-J6983CDW を仕入れたら、本体の上に未使用の純正インクカートリッジ LC3117-4PK(4個入)が同梱されていた。仕入れ値¥0のまま¥5,200で出品し、Amazon手数料¥595を引いて粗利¥4,605・利益率88.6%・販売SPEED10で即売れ。ただし自己発送なので、ここから配送料と梱包資材費が別途出ていく。
  • 純正インクが即売れするのは、①消耗品で必ずなくなる②型番が合わないと使えず代替が効かない③切れてから急いで探す人が多い④中古市場が成立しない、という構造があるから。「同じ型番でないと困る」商品は、価格の上限が高くなる。
  • 教訓は「本体だけ見て仕入れ判断をしない」。中古品は箱の中に未使用の消耗品・純正部品・ケーブル・リモコンが残っていることがあり、同梱物のほうが利益額で上回ることすらある。ただし「あるかもしれないから買う」は博打で、正しいのは現物を確認して「ある」と分かってから織り込むこと。

型番が読めたら、あとはバーコード1回

今回の判断はシンプルでした。箱に印字された型番を読んで、バーコードをスキャンしただけです。

同梱物のチェックが習慣になるかどうかは、1点あたりの確認コストが十分小さいかにかかっています。1点調べるのに5分かかるなら、面倒で見なくなります。数十秒なら、全部並べて片っ端から確認できます。

今回の画面はすべてプライスターのものです。バーコードを読むだけで次が一度に出ます。

その場で出るもの 今回の場合
現在の相場と出品者数 純正インクは新品のみの市場
Keepaの価格推移 消耗品なので価格は安定
仕入れ値を入れた瞬間の粗利・利益率 仕入れ¥0 → 手数料¥595・粗利¥4,605・88.6%
売れたあとの実績管理 「売れたもの」画面(今回の写真)

とくに原価¥0の副産物は、いくらで出すべきかの感覚が働きません。 「タダで手に入ったから安くていいや」と思ってしまいがちですが、それは相場を壊すだけで誰も得をしません。ツールが出す相場をそのまま使うのが結局いちばん速くて、正確です。

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