売却順序は「一般口座 → 特定口座 → NISA」
結論から書きます。私が決めた順番はこれです。理由は税率ではなく、手間と自由度です。
① 一般口座を最初に畳む
一般口座は、証券会社が損益を計算してくれません。年間取引報告書も交付されないので、売れば自分で取得価額を洗い出して申告する必要があり、取得が古いほど記録をたどるのが大変になります。
つまり放置しても税務上のメリットがゼロで、寝かせるほど面倒が増える口座です。だから最初に畳む。記憶が新しいうちに片づけたい、という現実的な理由もあります。
② 特定口座は「源泉徴収あり」のまま、必要な分だけ
特定口座(源泉徴収あり)は、売却益から20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が自動で引かれ、原則として確定申告が不要です。ここは楽です。
ポイントは、特定口座(源泉徴収あり)の分を確定申告に「含めるかどうか」は自分で選べるという点。一般口座を申告するからといって、特定口座まで一緒に申告する義務はありません。含めると合計所得金額が増え、住民税や国民健康保険料に影響が出る場合があるため、私は含めない方針にしました。
もう一点、一度に全部売ると利益がその年に集中します。年をまたいで分割するほうが所得の山を作らずに済みます。
③ NISAは最後——というより「急いで売らない」
NISA口座は売っても非課税なので、税金だけ見れば真っ先に売っていい口座です。それでも最後にした理由は、空いた枠が使えるのは翌年だからです。
非課税保有限度額(生涯1,800万円)は、売却すると取得価額(簿価)ベースで翌年に復活します。年間で新たに投資できるのは360万円(つみたて枠120万円+成長投資枠240万円)まで。NISA内の入れ替えは年単位でしか進まない仕組みです。
もう一つ、NISAは損益通算ができません。損失が出てもなかったものとみなされ、他の口座の利益と相殺できない。「NISAは他とルールが違う箱」と覚えておくと判断を間違えにくくなります。
なお私の今年の非課税枠はまだ3割ほど残っています。ここは新規の買い増し用に空けておきたい。これが次の3年計画につながります。

一般口座を売ると、確定申告がついてくる(e-Taxは自分でやる)
一般口座を畳むと決めた時点で、来年の確定申告が確定します。「税理士に頼むべきか」と一瞬考えましたが、自分でやることにしました。
理由は単純で、やることが少ないからです。申告するのは一般口座の譲渡損益だけ。株式等の譲渡所得は申告分離課税なので、事業の所得と合算されて税率が跳ね上がることもありません。
手順としてはこの流れになります。
- 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
- マイナンバーカードとスマホ(またはICカードリーダー)でログインする
- 「分離課税の所得」→株式等の譲渡所得等へ進む
- 一般口座の取得価額・売却価額・売却日を入力する
- 画面の指示どおりに進めて、そのままe-Taxで送信する
いちばん時間がかかるのは4番の「取得価額を確定させる」ところです。ここさえ揃っていれば、入力自体は30分もかからないというのが、事前に画面を触ってみた感触でした。
だから今年やるべきことは申告作業ではなく、売却時に取得価額の記録を必ず残すこと。取引報告書のPDFを保存し、売却の都度スプレッドシートに一行足す。これだけで来年の自分が助かります。

NISAの楽天VTIは、3年かけてオルカンに寄せる
NISA内の入れ替えを一気にやると、その年の投資枠を入れ替えだけで食いつぶし、新規の買い増しができなくなります。だから3年計画にしました。
- 1年目(今年):NISA内の楽天VTIは動かさない。枠は新規の買い増しに使う。売るのは一般口座のみ
- 2年目:NISA内の楽天VTIを一部だけ売却。復活する枠は翌年に回り、その年の新規枠と合わせてオルカンへ
- 3年目:残りを売却して、オルカンに寄せ切る
ゆっくりに見えますが、急いで得することが1つもないからです。非課税なので税金の心配はなく、枠は年単位でしか復活せず、中身は6割方ダブっている。焦る理由が見当たりません。
毎月の積立設定は、すでにオルカン1本に切り替え済みです。新しく入るお金だけは、今日から正しい場所に流れている——これが一番大事で、過去の分は3年かけて追いつけばいい、という整理です。

まとめ:先に器を整えてから、お金を入れる
今回やることを、順番どおりにもう一度並べます。
- 一般口座を最初に畳む。放置してもメリットがなく、寝かせるほど記録が面倒になるから
- 特定口座は源泉徴収ありのまま、申告には含めない。売るなら年をまたいで分割する
- NISAは急がない。売却枠の復活は翌年・簿価ベース。損益通算もできない別ルールの箱
- 確定申告は自分でやる。作成コーナー+マイナンバーカードで、記録さえ揃っていれば短時間で終わる
- NISA内の入れ替えは3年計画。今年の枠は新規の買い増しに使う
物販をやっていると、在庫を整理してから仕入れるのが当たり前になります。散らかった棚に新しい商品を突っ込んでも、どこに何があるか分からなくなるだけ。投資も同じでした。
もし口座が2つ3つに散らばっているなら、動かす前に、「どこから売るか」だけ先に決めておくと楽です。順番さえ決まっていれば、あとは年に一度、淡々と進めるだけです。
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