キッチンの棚に置かれた陶器のジャグに、木製のヘラやスプーン、赤いシリコンベラなどの調理器具がまとめて挿してある写真。奥にコンロがぼんやり見える。

仕入れる前には必ず「何個売れば元が取れるか」を出すのに、台所の道具では一度も出したことがありませんでした。hiroです。

9月に入りました。夏休みが終わって給食が戻り、うちでは弁当と作り置きが再開します。毎年この時期、台所まわりで小さい買い物が増えます。 去年もそうでした。安い調理器具を何個か買って、そのうち半分は引き出しの奥に入ったままです。

今年は買い方を変えました。せどりで毎回やっていることを、そのまま持ち込んだだけです。

式は1本しかありません。本体価格を、1回あたりに浮く額で割る。 出てきた数字が「元が取れる回数」です。この数字が小さいものだけを買い、大きいものは買いませんでした。

  • ①「安いから買う」をやめた理由
  • ②式は1本だけ——本体価格 ÷ 1回あたりに浮く額
  • ③外で買う飲み物を止める2品
  • ④「買うごはん」を「炊いたごはん」に戻す1品
  • ⑤節約ではなく「捨てる量」を減らす1品
  • ⑥買い替えを先送りにする1品
  • ⑦カフェ代を家に移す2品
  • ⑧分岐点が遠すぎて買わなかったもの
  • ⑨まとめ

💡 道具の値段は「支出」ではなく「仕入れ」だった。仕入れなら、回収できる回数を先に出すのが当たり前。


①「安いから買う」をやめた理由

去年の9月に買ったものを思い出してみました。安売りのシリコンベラ、間に合わせで買った小さいまな板、名前も覚えていない保存容器。どれも「安かったから」という理由だけで買っています。

問題は、安いものを買っても支出が減らないことです。減るのは1回の買い物の金額であって、毎月出ていくお金は1円も変わっていません。

せどりで同じことをしたら、すぐに在庫が溜まります。仕入れ値が安くても、売れなければ回収はゼロです。だから仕入れの前には必ず「いくらで、何個売れば戻るのか」を出します。¥40,000の山買いを9本の記事に分けて追いかけたときも、最初にやったのはその計算でした。

台所の道具も同じはずです。道具は「支出」ではなく「仕入れ」で、回収されるのは毎日の食費のほうです。

💡 安さは判断材料にならない。判断材料は「その安さを何回で取り戻せるか」だけ。


②式は1本だけ——本体価格 ÷ 1回あたりに浮く額

使う式はこれだけです。

項目 中身
分子 その道具の税込価格(+消耗品があればその原価)
分母 その道具を1回使うことで浮く額
答え 元が取れる回数

たとえば分母が¥100で、道具が¥2,000なら、20回で元が取れます。週3回使うなら7週間、毎日使うなら3週間弱です。

この式のいいところは、分子(道具の値段)が変わっても壊れないことです。価格は日々動きます。だから私はこの記事に道具の値段を書きません。代わりに、分母(1回あたりに浮く額)のほうを、うちの実際の使い方で出しておきます。 リンク先で今日の価格を見て、その場で割ってもらえれば、その人の家の分岐点が出ます。

ここから先で使う「浮く額」は、すべてうちの前提です。家族構成も、外で買う頻度も、家庭ごとに違います。必ずご自身の数字に置き換えてください。

💡 価格は変わるが、式は変わらない。だから記事に残すべきは価格ではなく式のほうだった。


木製のテーブルの上に、黒いキャップの付いたステンレス製の水筒が1本、白い背景の前に立っている接写。

③外で買う飲み物を止める2品

いちばん分岐点が近かったのが、飲み物まわりでした。理由は単純で、分母(1回あたりに浮く額)が大きいからです。

外側を止めるのが水筒です。 コンビニや自販機で500mlのペットボトルを買うと、うちの近所では¥150〜¥180くらいします。同じ量を家で用意すれば、麦茶なら1杯あたり数円です。差額を1回¥150として見ると、分母が¥150。 分子が¥2,000台なら、十数回で元が取れることになります。1日1本買っていた人なら、3週間もかかりません。

選んだのはサーモスの真空断熱ケータイマグ 500mlです。決め手は食洗機に入れられることでした。手洗いが面倒で使わなくなると、分母が0になって分岐点が無限に飛びます。「使い続けられるか」は、実は価格より効きます。

内側を止めるのが冷水筒です。 家の中でもペットボトルのお茶を買っていると、ここも毎週出ていきます。麦茶パックで沸かせば2リットルが十数円です。買った2リットルとの差を1回¥100前後と見て、分子で割る。 これも分岐点はかなり近い部類でした。

岩崎工業のラストロウェア 冷水筒 2.1Lを選んだのは、熱湯を直接入れられるからです。沸かした麦茶を冷ましてから移す手間が要りません。ここでも判断軸は「続けられるか」でした。

💡 分母がいちばん大きいのは、毎日繰り返している出費。だから飲み物から手を付けるのが早い。


明るい窓辺のテーブルに、水の入った透明なガラスのピッチャーと、水を注いだグラスが2つ置かれている。差し込む光でテーブルに影が伸びている。

念のために書いておくと、水筒も冷水筒も、買っただけでは1円も浮きません。 分母が発生するのは「外で買わなかった回」だけです。買った瞬間ではなく、使った回数ぶんだけ回収が進む——この感覚は、仕入れた商品が売れて初めて現金が戻るのと同じでした。

夏場の飲み物代については夏の食費を月-3,000円下げる7つのテクニックでも触れていますが、あちらは「何をやめるか」の話でした。今回はやめ続けるための道具に、いくらまで出せるかという、その手前の話になります。


白い台の上に、ガラス製の保存容器が3つ並び、それぞれに雑穀ごはん、コーン、きゅうり、ミニトマト、レンズ豆などが彩りよく詰められている俯瞰写真。

④「買うごはん」を「炊いたごはん」に戻す1品

9月にうちで増えるのがパックごはんです。夏の間に炊く習慣が崩れていて、忙しい朝にレンジで温めるだけのものに手が伸びます。

ここも分母が出しやすいところでした。パックごはん1食と、米を炊いて冷凍した1食の差です。米の値段は年によってかなり動きますが、1食あたりで見ると差は数十円単位になります。仮に1食¥60の差とすれば、分子が¥2,000台なら40食前後で分岐点。家族で1日2〜3食ぶん使うなら、半月ほどで折り返す計算です。

問題は、その40食を実際に回せるかでした。炊いて冷凍する運用が続かなければ、容器は引き出しの肥やしになります。

選んだのはマーナの極 冷凍ごはん容器です。すのこが入っていて、解凍したときに底がべたつきにくい作りになっています。「まずくなるから結局パックに戻る」という失敗の芽を、先に潰しにいった選び方です。

道具選びで失敗する時、原因はたいてい性能ではなく「使わなくなること」でした。お盆準備の家計対策でネット通販と実店舗を比べたときも、最後に効いたのは値段ではなく手間のほうでした。

💡 分母が大きくても、回数が回らなければ回収はされない。買う前に「運用が続くか」を一度疑う。


黒いデジタルクッキングスケールの上に、白い器に入ったコーヒー豆が載っていて、表示部に「9.9g」と出ている接写。木製のカウンターの上。

⑤節約ではなく「捨てる量」を減らす1品

7品のうち1つだけ、「浮く額」ではなく「捨てなくなる額」で計算したものがあります。はかりです。

うちでは、作り置きを作るときに毎回多すぎるか少なすぎるかのどちらかでした。多すぎた分は、正直に言えば食べきれずに捨てています。この「捨てた分」は、家計簿には食費として計上されているのに、誰の口にも入っていません。

せどりでいえば、検品せずに仕入れて、売れないまま在庫として残っている状態です。帳簿には原価として乗っているのに、現金にならない。 構造がまったく同じでした。

分母は「1回作るごとに捨てずに済む量の金額」です。うちの感覚では1回あたり数十円から、多い週は¥100を超えます。仮に1回¥50として、分子が¥1,000台なら20〜30回で分岐点。週に2回作り置きをするなら、3ヶ月ほどで折り返します。飲み物ほど早くはありませんが、確実に来る数字でした。

タニタのクッキングスケール KD-187を選んだのは、1g単位で1kgまでという必要十分な仕様だったからです。もっと高機能なものもありますが、分子が上がると分岐点が遠ざかります。 使わない機能に払った分は、回収の対象になりません。

💡 「捨てている食材」は支出として計上済みなのに、価値をまったく生んでいない在庫だった。


茶色い木製のまな板の上に、黒い柄の包丁が1本置かれている接写。まな板は使い込まれた木目で、背景は暗い木のテーブル。

⑥買い替えを先送りにする1品

これは少し毛色が違って、「買わないで済ませる額」が分母になるものです。

うちの包丁は切れ味が落ちていて、今年に入ってから何度か「そろそろ買い替えかな」と思っていました。買い替えれば数千円です。 ところが刃こぼれをしているわけではなく、単に研いでいないだけでした。

分母の考え方はこうです。シャープナーを使うことで買い替えを1年先送りできるなら、その1年ぶんの買い替え費用が浮いた額になります。仮に包丁の買い替えが数千円なら、分子が¥1,000台のシャープナーは1回目の使用でほぼ回収が終わる計算です。今回の7品でいちばん分岐点が近かったのは、実はここでした。

選んだのは貝印の関孫六 ダイヤモンド&セラミック シャープナーです。手動で、置き場所を取りません。

もう一つ、金額に出ない効果もありました。切れない包丁は、下ごしらえの時間そのものを削ります。 玉ねぎのみじん切りに余計に3分かかると、その3分が「今日は作らなくていいか」の理由になって、結局買ってくるほうに流れます。分岐点の計算には入れませんでしたが、実際に効いているのはこちらかもしれません。

家電やモノの買い替え時期そのものについてはお盆明けに家電が下がる理由・モデルチェンジ時期の読み方で別に書いています。「買う時期を選ぶ」より「買う日を後ろにずらす」ほうが安く済むこともあります。

💡 買い替えを先送りにできた額も、立派に「浮いた額」。分母は節約だけではない。


白い壁を背景に、木製のハンドルが付いた小型の手動コーヒーミルが置かれている接写。金属のドーム部分に光が当たっている。

⑦カフェ代を家に移す2品

最後はコーヒーです。分母がいちばん大きく、しかも計算がいちばん単純でした。

外でコーヒーを1杯買えば、チェーン店でも¥300前後、専門店なら¥500を超えることもあります。家で豆から淹れれば、1杯あたりは数十円です。仮に差を1回¥250と見れば、分子が¥2,000台でも10回ほどで分岐点に届きます。週2回外で買っていた人なら、1ヶ月ちょっとです。

ただし、ここには私が最初に間違えたポイントがあります。

消耗品を分子に足し忘れていました。 ミル本体の価格だけで割ると分岐点が近く見えますが、実際にはペーパーフィルターが毎回減ります。1枚あたりは数円ですが、1回あたりの原価に必ず乗せないと、分岐点が実際より手前に出てしまいます。

これはせどりで送料や梱包資材を利益計算に入れ忘れるのと同じ失敗です。HARMANのガス機器で配送料が3つとも違った件でも、最後に効いたのは本体価格ではなく付帯コストのほうでした。本体だけ見て利幅を出すと、必ず甘い数字が出ます。

そこで今回は、ハリオのコーヒーミル・セラミックスリム MSS-1BHARIO V60 ペーパーフィルター 02(160枚)セットで1つの分子として扱いました。フィルターを160枚入りで持っておけば、1枚あたりの単価も下がります。

💡 消耗品を分子に入れずに出した分岐点は、必ず甘く出る。本体だけで利幅を計算しないのは、仕入れでも台所でも同じ。


透明なガラスのドリップサーバーにコーヒーが落ちている接写。中央に木製のバンドが巻かれていて、奥にはコーヒーミルと観葉植物がぼやけて写っている。

⑧分岐点が遠すぎて買わなかったもの

今回、買おうか迷って外したジャンルを正直に書いておきます。電動の調理家電です。

自動調理鍋やフードプロセッサーは、確かに時間を短くしてくれます。ただ、分子(本体価格)が今回の7品と桁が1つ違います。分母を大きく見積もっても、分岐点が数百回になりました。 週2回使って数年かかる計算です。

数年後まで使い続けている確信が持てなかったので、今回は式が「買うな」と言っていると受け取りました。欲しい気持ちはありますが、式を作っておいて、答えが気に入らない時だけ無視するのなら、最初から計算する意味がありません。

もう一つ外したのが、もっと高機能なはかりです。⑤で書いたとおり、分子を上げても分母は増えませんでした。分母が増えない機能に払った差額は、永久に回収されません。

なお、9月4日20時からは楽天スーパーSALEが始まります。分岐点が遠い道具ほど、セールで分子が下がったときに一気に近づきます。 今回外した電動調理家電は、そちらで様子を見る予定です。日程とルールの違いは楽天スーパーSALEとお買い物マラソン、違うのはポイントのルールではなかったにまとめてあります。

💡 式の答えが気に入らない時だけ無視するなら、式を作った意味がない。買わない判断も、計算の成果。


机の上で、片手が鉛筆を持ってノートに書き込み、もう片方の手が電卓を叩いている手元の写真。手前にグラフの印刷された紙、奥にノートパソコンが置かれている。

⑨まとめ

  • 使った式は1本だけです。本体価格(+消耗品の原価)÷ 1回あたりに浮く額 = 元が取れる回数。 分子は日々動くので、リンク先の今日の価格を入れて割ってください
  • 分岐点がいちばん近かったのは、包丁のシャープナーでした。 買い替えを先送りできた額がそのまま分母になるので、1回目の使用でほぼ回収が終わる計算になります
  • 次に近かったのが飲み物まわりです。 外で1本買うのをやめた回だけ分母が発生する、という当たり前のことを、私は今まで一度も数えていませんでした
  • はかりだけは「浮く額」ではなく「捨てなくなる額」で計算しました。 食べきれずに捨てた食材は、家計簿には食費として乗っているのに、価値を何も生んでいない在庫でした
  • コーヒーでは、消耗品を分子に入れ忘れて分岐点を甘く出しかけました。 本体価格だけで利幅を計算しないのは、仕入れでも台所でも同じです
  • 電動の調理家電は買いませんでした。 分岐点が数百回になり、そこまで使い続ける確信が持てませんでした。式の答えが気に入らない時だけ無視するのなら、計算する意味がありません
  • 今回そろえたのは7品です。 すべて2026年9月2日時点でAmazonの商品ページを開き、在庫と評価を1品ずつ確認しています。価格は変動するので本文には書いていません

去年の9月も、同じように台所で小さい買い物をしていました。違うのは、今年は買う前に紙に割り算を書いたことだけです。それだけで、買うものが7つに絞れて、買わないものが1ジャンル決まりました。

季節の変わり目に家計を見直す習慣そのものは真夏の家計固定費を月次ルーティンで棚卸しした話から続けているものですが、道具にまで割り算を持ち込んだのは今回が初めてです。使った回数は、これから数えていきます。

窓辺に、ベージュ・白・くすみピンクのニットセーターが3枚たたんで積まれ、手前にオレンジ色のかぼちゃが置かれている。窓の外は色づいた木々。


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🛒 「何回で元が取れるか」を先に出してから買った7品

※本記事はAmazonアソシエイト・プログラムの広告リンクを含みます。価格・在庫は変動します。


※本記事に掲載した7品は、2026年9月2日にAmazonの各商品ページを開き、在庫表示・評価(★4.0以上)・レビュー件数(1,900件以上)を1品ずつ確認したものです。ただし在庫・評価・レビュー件数・価格はいずれも変動しますので、購入前に必ずリンク先の最新の表示をご確認ください。価格は変動するため本文には記載していません。 本文中の「ペットボトル1本¥150前後」「コーヒー1杯¥300前後」「パックごはんと自炊の1食あたりの差」などの金額は、いずれもわが家の生活圏での体感にもとづく前提値であり、公的な統計や特定の店舗の価格を示すものではありません。地域・店舗・時期・世帯人数によって大きく変わりますので、必ずご自身の家計の実額に置き換えて計算してください。 本記事で紹介した「元が取れる回数」は、その道具を実際に使い続けた場合の単純計算であり、節約効果を保証するものではありません。調理器具の使用方法・耐熱温度・食洗機対応の可否・お手入れ方法は製品ごとに異なりますので、必ずメーカーの取扱説明書に従ってご使用ください。また、記事中の粗利・ROI等の数値は過去記事に記載した実績値であり、同じ手法で同じ結果が出ることを保証するものではありません。


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