茶色い段ボール箱を両手で持ち上げている人物の手元。白いテーブルの上には折りたたまれた梱包用の紙と、クラフト紙のロール、テープカッターが置かれ、奥は明るい窓と作業机。

メルカリ+Amazonで8年物販を続けているhiroです。

日曜(8月9日)、フリマで立て続けに売れました。メルカリで2件、ヤフオクで1件。翌朝に売上通知が並んでいるのは、正直いって気分がいいものです。

ただ、「売れた金額」と「手元に残る金額」はまったく別物です。

とくにメルカリは、取引画面に「販売利益」という頼もしい名前で金額が表示されます。これを手取りだと思い込んでいると、月末に帳簿を見て「思ったより残っていない」ということになります。

今回売れた3件は、その差を説明するのにちょうどいい対照になりました。

売れたもの 販路 売値 送料の負担
ISHIGAKI IH対応 吹きこぼれにくい土鍋 8号(3〜4人用) メルカリ ¥2,700 出品者
MONGORYU コンディショナー EX スカルプケア 200ml 5本 メルカリ ¥1,850 出品者
Microsoft Surface Pro X キーボード(新品未開封) ヤフオク 設定次第で落札者

売値だけ見れば土鍋が一番です。でも手元に残る額の順番は、これとは違います。

この記事では、既存の「らくらく便とゆうゆう便どっちが安いか」という話の一段手前——そもそも送料を誰が払う設計で出品するかを、実データで整理します。


売れた①:土鍋8号 ¥2,700・送料無料

メルカリの出品画面の実画面。畳の上に置かれた土鍋の箱の写真に赤いSOLDリボンが重なり、「ISHIGAKI IH対応 吹きこぼれにくい土鍋 8号 3〜4人用」「送料無料」「2,700円」、いいね数1・閲覧数70が表示されている。

メルカリの出品画面です。「ISHIGAKI IH対応 吹きこぼれにくい土鍋 8号 3〜4人用」が ¥2,700・送料無料でSOLD。

項目 内容
商品 ISHIGAKI IH対応 吹きこぼれにくい土鍋 8号 3〜4人用(イシガキ)
販売価格 ¥2,700
送料設定 送料無料(=送料込み・出品者負担)
閲覧数 70
いいね数 1

まず注目したいのは、閲覧70・いいね1で売れているという点です。

土鍋は季節商品です。8月の時点で「土鍋」を検索する人はまだ多くありません。いいねを何十個も集めてから売れるタイプではなく、探している少数の人に見つかったら即決で動きます。閲覧70で成約というのは、母数が小さいぶん成約率が高いということです。

そしてこの商品は8号(3〜4人用)。直径25cm前後の陶器で、割れ物です。梱包すれば箱はさらにひと回り大きくなります。

ここが、あとで効いてきます。


売れた②:コンディショナー5本 ¥1,850・「販売利益 ¥1,665」の正体

メルカリの取引画面の実画面。MONGORYU コンディショナー EX スカルプケア 200ml 5本について、商品代金1,850円・販売手数料185円・販売利益1,665円が並び、販売利益の行が赤くハイライトされ「※上記より配送料が引かれます」と注記。配送の方法はらくらくメルカリ便、送料は送料込み(出品者負担)、購入日時は2026年8月9日09:44。

こちらはメルカリの取引画面。数字がはっきり出ています。

項目 金額
商品代金 ¥1,850
販売手数料 ▲¥185
販売利益 ¥1,665
配送の方法 らくらくメルカリ便
送料 送料込み(出品者負担)
購入日時 2026年8月9日 09:44

画面には「販売利益 ¥1,665」と大きく表示されています。気持ちのいい数字です。

ただ、そのすぐ下に、小さくこう書いてあります。

※上記より配送料が引かれます

この一行がすべてです。


メルカリの「販売利益」が、まだ引いていないもの

木のテーブルの上に置かれた電卓と、その隣のクラフト紙の封筒に並べられた鉛筆・シャープペン・油性マーカー。

取引画面の「販売利益」が何を計算した数字なのか、実際の金額で検算してみます。

商品代金        ¥1,850
販売手数料      ▲¥185   ← 1,850 × 10% = 185(画面の数字と一致)
─────────────────────
販売利益        ¥1,665

「販売利益」=商品代金 − 販売手数料。それだけです。

引かれているのは手数料だけで、送料はまだ1円も引かれていません。 これは意地悪な表示ではなく、単に順番の問題です。発送方法とサイズが確定するのは発送のときなので、購入された時点では送料が確定していない。だから引きようがない。

実際の手取りは、こうなります。

段階 内訳
買い手が払った額 商品代金
▲ 販売手数料 商品代金の10%
= 画面の「販売利益」 ここまでしか表示されない
▲ 配送料 発送後、売上金から引かれる
▲ 梱包資材費 箱・テープ・緩衝材(自己負担)
▲ 仕入れ値 元手
= 本当の手残り

つまり画面の「販売利益」は、手取りではなく、手取りの上限です。ここから下がることはあっても、上がることはありません。

もうひとつ押さえておきたいのが、手数料は「買い手が払った総額」にかかるという点です。送料込みで出品している場合、出品価格がそのまま買い手の支払額なので、自分が負担する送料の分にも手数料10%がかかっていることになります。送料が高い商品ほど、この二重の負担がじわじわ効いてきます。


らくらくメルカリ便の料金表

黄色いメジャー(巻尺)の目盛りのクローズアップ。白い面と面のあいだにメジャーが渡され、数字の「9」とミリ単位の目盛りが写っている。

送料は「なんとなく高い」ではなく、サイズ区分ごとの固定額です。まず表を頭に入れておくと、値付けの判断が速くなります。

以下はらくらくメルカリ便(ヤマト運輸)の料金で、2026年8月時点でメルカリ公式ヘルプを確認した数字です。料金は改定されることがあるので、実際に出品する前にアプリの画面で確認してください。

便 送料 サイズ上限 重量上限
ネコポス ¥210 3辺60cm・長辺34cm・厚さ3cm 1kg
宅急便コンパクト ¥450+専用BOX¥70 25×20×厚さ5cm(薄型34×24.8cm) 制限なし
宅急便 60 ¥750 3辺60cm 2kg
宅急便 80 ¥850 3辺80cm 5kg
宅急便 100 ¥1,050 3辺100cm 10kg
宅急便 120 ¥1,200 3辺120cm 15kg
宅急便 140 ¥1,450 3辺140cm 20kg
宅急便 160 ¥1,700 3辺160cm 25kg
宅急便 180 ¥2,100 3辺180cm 30kg
宅急便 200 ¥2,500 3辺200cm 30kg

サイズごとの使い分けは、「らくらく」と「ゆうゆう」どっち?メルカリ便を1円でも安く使い分けるコツに全8種類を並べて書いています。

ただし、料金表の額がそのまま引かれるとは限らない

ここは正直に書いておきます。料金表の金額と、実際に引かれる金額はズレることがあります。

以前、3辺実測159cm・18kgの大型商品をらくらくメルカリ便の160サイズで送ったとき、同じ荷物について3つの数字が出ました。

出どころ 金額
メルカリ公式ヘルプの料金表(160サイズ) ¥1,700
出品時にアプリが提示した配送料 ¥1,940
実際に売上から引かれた額 ¥2,200

原因は特定できていません(サイズの繰り上げ判定なのか、料金の改定なのか、断定できる材料がない)。分かっているのは、大きいものほど料金表どおりにはいかないということだけです。

しかも、メルカリの取引完了画面には配送料の明細行が出ません。「販売利益」と最終的な手残りの差から逆算して、はじめて分かります。

なので大物の手取りを事前に計算するときは、料金表の額をそのまま使わず、数百円ぶれる前提で見積もるようにしています。


2品の手取り比較:¥850の差はどこまで縮むか

気泡緩衝材(プチプチ)を真上から写したクローズアップ。透明な気泡がびっしりと並んでいる。

売値は土鍋¥2,700、コンディショナー¥1,850。差は850円です。ここから送料を引くと、この差はどうなるか。

先に断っておくと、この2件について実際に引かれた配送料は記録していません。 前述のとおり完了画面に明細行が出ないためで、後から正確に取り出すことができませんでした。なので以下は公式料金表を使った試算です。実額は数百円ぶれる前提で読んでください。

想定サイズはこうです。

  • 土鍋 8号:直径25cm前後の陶器。緩衝材を巻いて箱に入れると3辺合計は100サイズ前後
  • コンディショナー 200ml×5本:小さいけれど液体で重い。厚さ5cm以内には収まらないので宅急便コンパクトは使えず、60〜80サイズ
商品 売値 手数料10% 販売利益 想定サイズ 送料 手取り
土鍋 8号 ¥2,700 ▲¥270 ¥2,430 100 ▲¥1,050 ¥1,380
コンディショナー5本 ¥1,850 ▲¥185 ¥1,665 80 ▲¥850 ¥815

※資材費と仕入れ値を引く前の金額です

売値の差は¥850ありました。手取りの差は565円。285円ぶん縮んでいます。

土鍋の梱包がひと回り膨らんで120サイズ(¥1,200)になり、逆にコンディショナーが60サイズ(¥750)に収まった場合は、こうです。

商品 販売利益 送料 手取り
土鍋 8号(120サイズ) ¥2,430 ▲¥1,200 ¥1,230
コンディショナー5本(60サイズ) ¥1,665 ▲¥750 ¥915

差は315円まで縮みました。売値では¥850離れていた2品が、梱包の出来ひとつで315円差になる。箱の大きさは、値付けと同じくらい手取りを動かします。

意外だったこと:比率で見ると、安いほうがきつい

もうひとつ、並べてはじめて見えたことがあります。売値に対して送料が何割を占めるかです。

商品 売値 送料 送料が売値に占める割合
土鍋 8号(100サイズ) ¥2,700 ¥1,050 38.9%
コンディショナー5本(80サイズ) ¥1,850 ¥850 45.9%
コンディショナー5本(60サイズ) ¥1,850 ¥750 40.5%

送料の金額は土鍋のほうが¥200高い。でも比率では、小さくて軽いはずのコンディショナーのほうが重いのです。

理由は単純で、売値が低いからです。送料は商品の値段に関係なくサイズで決まるので、売値が下がるほど送料の比率は跳ね上がる。「小さいから送料は気にしなくていい」は、売値が2,000円を切ったあたりから成り立たなくなります。

送料負けは「大きいから」起きるのではなく、「売値に対して送料が重いから」起きる。ここを取り違えると、小さくて安いものをたくさん売って忙しいだけ、という状態になります。


売れた③:ヤフオクなら「送料は落札者負担」を選べる

ヤフオク!の出品者画面の実画面。畳の上に置かれた新品未開封のMicrosoft Surface Pro X用キーボードの箱の写真に赤いSOLDリボンが重なり、アクセス8・ウォッチ1・入札1、0件の質問、「取引ナビを確認する」ボタンが表示されている。

3件目はヤフオク。Microsoft Surface Pro X のキーボード(新品未開封)が、アクセス8・ウォッチ1・入札1で落札されました。閲覧数はメルカリの2件よりずっと少ないのに、ちゃんと1件入札が入って終わっています。

この3件目で書いておきたいのは落札額のほうではなく、送料の負担を出品者が選べるという一点です。

メルカリは、制度上は着払いも選べます。ただ実際には送料込みの出品がほとんどで、着払いにすると露骨に売れにくくなる。事実上「出品者負担」しか選択肢がありません。

ヤフオクは違います。出品設定で送料を落札者負担にできて、それが普通に受け入れられている

メルカリ ヤフオク
販売手数料 10% 一律10%(税込)
送料の負担 実質、出品者負担が標準 出品者/落札者を選べる
手数料がかかる範囲 出品価格(送料込みなら送料分にも10%) 落札額(送料落札者負担なら送料には手数料がかからない)

落札者負担にすると、効き方が二重になります。

  1. 送料が手取りから引かれない
  2. その送料の分に手数料10%がかからない

送料¥1,700の荷物なら、①で¥1,700、②で¥170。合わせて¥1,870ぶん、手元に残る額が変わる計算です。

もちろんタダではありません。落札者から見れば支払総額が増えるので、入札が入りにくくなる/落札価格が下がるというトレードオフがあります。回転を優先するなら送料込み、手取りを優先するなら落札者負担。どちらが正しいという話ではなく、選べること自体が武器だという話です。

ヤフオク側で気をつけている2つのこと

① 落札者負担の送料は、固定額で書けない。 ヤフオクの「おてがる配送」は、落札者負担にすると地域によって金額が変わります。公式にも固定額の記載がありません。出品説明文に「送料¥1,050」などと書いてしまうと、遠方の落札者とトラブルになります。金額を書かず、配送方法とサイズだけ明記するのが安全です。

② おてがる配送は160サイズが上限。 3辺合計が160cmを1cmでも超えると、おてがる配送が使えません。匿名配送も、追跡も、出品者価格も、まとめて失います。自分でヤマトの通常宅急便を手配するしかなくなり、送料は跳ね上がる。大物をヤフオクに出すなら、160cmに入るかどうかが最初の関門です。

(らくらくメルカリ便の宅急便は180・200サイズまで用意があるので、160cmを超える大物はむしろメルカリのほうが手段が残っています。ここは販路の向き不向きが逆転するポイントです。)


サイズで販路を決める、という発想

雨に濡れた山あいの道路を、こちらに向かって走ってくる白い大型トラック。片側は岩肌、路面には黄色いセンターラインが伸びている。

販路の決め方として、私はこれまで「Amazonに出せるか」→「出せないならメルカリ」→「高額・コレクター品ならヤフオク」という順番で考えてきました。出品規制と元カタログの有無で決める、という考え方です。

今回の3件を並べて、そこにもう1本、軸を足すべきだと感じました。商品のサイズと重さです。

商品の性質 送料の重み 向いている設計
小さい・軽い・壊れない 売値の1〜2割 メルカリの送料込みで問題なし。回転の速さを取る
中くらい・そこそこ重い 売値の2〜3割 メルカリでも可。ただし送料を織り込んだ値付けが前提
大きい・重い・割れ物 売値の3割超 送料込みは不利。落札者負担を選べる販路を検討する

ただし、さきほどのコンディショナーがそうだったように、小さくても売値が低ければ比率は簡単に3割を超えます。見るべきはサイズそのものではなく、あくまで売値に対する送料の比率です。サイズと重さは、その比率を押し上げる原因のひとつにすぎません。

ポイントは、この判断が「いくらで売れるか」ではなく「いくら残るか」で行われることです。

土鍋のような商品は、メルカリで出せば売れます。回転も悪くありません。ただ「売れる」と「残る」は違う。同じ手間をかけるなら、送料の負担設計まで含めて販路を選ぶほうが、月末の数字は変わってきます。

送料込みで出すなら、値付けの前にやること

メルカリの送料込みで出すと決めたなら、順番はこうです。

  1. 梱包した状態の3辺合計と重量を測る——出品してから測るのでは遅い。値付けの入力欄を開く前に測る
  2. その区分の送料を確認して、売値から引く——ここで初めて手取りが見える
  3. 手取りが目標を割るなら、売値を上げるか、販路を変えるか、出品自体をやめる

「とりあえず相場で出して、売れてから送料を調べる」——これが一番よくない順番です。売れた後では、もう値段は変えられません。

梱包を1サイズ落とす工夫は、そのまま利益になる

送料はサイズ区分の階段状になっているので、3辺合計を数センチ削るだけで1段下がることがあります。

  • 箱の中の余白を詰めて、ひと回り小さい箱に入れ替える
  • 緩衝材を厚いプチプチから薄手+新聞紙の併用に変える
  • 付属品を本体の内側に収める

割れ物の場合、緩衝材を削るのは事故のもとなので、まず箱の選び直しからです。1件あたり¥200の削減でも、月20件売るなら¥4,000。ここは地味に効きます。


月曜の朝に確認したい、たった1つの数字

両手でスマートフォンを操作している人物の手元。テーブルには開いた冊子とコーヒーカップが置かれている。

週末に売れて、週明けの朝に通知が並んでいる。物販を続けていると、この瞬間が一番モチベーションになります。

ただ、その通知に出ているのは売れた金額です。朝の移動中にスマホで確認するなら、見るべき数字はもうひとつあります。

「この1件で、いくら残るのか」

計算式はシンプルです。

手残り = 売値 −(売値×10%)− 送料 − 梱包資材 − 仕入れ値

スマホの電卓で20秒あれば出ます。そしてこの数字を出す習慣があるかどうかで、半年後の在庫の中身が変わります。

手残りを毎回見ていると、自然とこうなります。

  • 送料負けする大物を、なんとなく仕入れなくなる
  • 同じ利益なら、小さくて軽いものを選ぶようになる
  • 「安く買えた」ではなく「いくら残るか」で判断するようになる

逆に売上金額だけを追っていると、売上は伸びているのに手元の現金が増えない、という状態になりがちです。物販で一番しんどいのがこの状態です。動いている量は多いのに、残らない。

週明けの朝、通知を開いたついでに1件だけでいいので、手残りまで計算してみてください。それが翌週の仕入れの精度を上げます。


まとめ:3行まとめ

何本もの列に積み上げられた硬貨の山。手前の列は低く、奥に向かって高くなっている。

  1. メルカリの「販売利益」は手取りではなく、手取りの上限。 引かれているのは手数料10%だけで、送料・梱包資材・仕入れ値はまだ1円も引かれていない。
  2. 送料負けは「大きいから」ではなく「売値に対して送料が重いから」起きる。 今回の2件は料金表ベースの試算で土鍋38.9%・コンディショナー45.9%。小さくて安いほうが比率はきつかった。
  3. だから出品の前に測る。 梱包した状態の3辺合計と重量を測り、送料を引いてから値段を決める。それが割に合わない大物は、送料を落札者負担にできる販路(ヤフオク)に回す。

売上金額は、通知が勝手に教えてくれます。手残りは、自分で計算しないと誰も教えてくれません。


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