「帳簿付け」と「税理士運用」の役割分担|私のスタンス
まず、私の基本スタンスをはっきりさせておきます。
私は**「帳簿付け」と「申告作業」を、自分ではやりません。そこは税理士さんにお任せしています。じゃあ自分は何をしているのかというと、「材料集め」だけ**です。
料理にたとえると分かりやすいかもしれません。私は食材(売上や経費のデータ)を買ってきて、まな板の横にきれいに並べるところまでをやります。その先の「切る・炒める・味付けする」、つまり仕訳や決算書づくりは、プロである税理士さんが担当する——そういう役割分担です。
なぜ「帳簿は付けない」と割り切れたのか
世の中の経理の情報を見ると、「日々コツコツ記帳しましょう」「月次でしっかり締めましょう」という前提のものがほとんどです。理想はその通りだと思います。
でも私はある時、はっきり気づきました。**「自分は税務の判断ができない」**と。
この経費はどの勘定科目に入るのか。これは資産計上なのか、その年の経費でいいのか。家事按分はどうするのか。——こういう判断は、知識がないと正しくできません。そして判断を間違えたまま帳簿を付けても、結局あとで直すことになります。だったら、判断ができる人に最初から任せたほうが、トータルで速くて安全だと考えました。
「帳簿を付けない」というと聞こえは悪いですが、正確には**「帳簿付けという作業を、自分の手元から税理士さんの手元に移した」**だけです。記録自体は、税理士さんの側できちんと作られています。
自分の仕事は「散らからないうちに渡す」だけ
この割り切りができてから、私の経理に対する心理的なハードルは一気に下がりました。
やることが「材料を集めて渡す」だけになると、もう難しい判断はいりません。月末に、決まった場所からデータをダウンロードして、レシートを封筒に入れて、まとめて送る。それだけ。「考える経理」から「作業の経理」に変わったんです。
非エンジニアの私がアプリ開発を専門家に相談しながら進めるのと、発想は同じです。自分の得意なところ(仕入れ・販売・データ集め)に集中して、苦手なところ(税務判断)は分かる人に渡す。これが、忙しくても物販を8年続けられている土台になっています。
月次でやる4つのデータ集め|プライスター・Amazon・カード・領収書

では、具体的に毎月何を集めているのか。私が月次でやっているのは、たった4種類のデータ集めです。これだけで税理士さんに渡す材料がそろいます。
① プライスターの月次売上・利益データ
物販の売上・利益の全体像は、プライスターで把握しています。
プライスターはAmazon出品・在庫管理・利益計算を自動化してくれるツールで、私は日々のせどりでも使っています。月末になると、その月の売上や利益のデータがきれいにまとまっているので、これをそのまま参照します。
何が良いって、Amazonの手数料や送料まで差し引いた「実際の利益」が自動で出ていること。自分で電卓を叩く必要がありません。物販をやっている人にとって、月次の数字を一発で見られるツールがあるかどうかは、経理のラクさに直結します。
② Amazonセラーセントラルからの売上表ダウンロード
プライスターで全体像はつかめますが、税理士さんに渡す正式な数字としては、Amazonセラーセントラルから売上表(レポート)をダウンロードします。
セラーセントラルには取引や入金のレポートが用意されているので、対象月のものを落とすだけ。CSVなりPDFなりで保存して、これも材料の山に加えます。プライスターが「自分用の見やすい数字」、セラーセントラルが「公式の元データ」というイメージです。
③ クレジットカード明細と銀行口座明細
仕入れの支払いや経費の引き落としは、ほぼクレジットカードと銀行口座に記録が残ります。だから、この2つの明細が経理のもう半分の材料になります。
カード会社や銀行のサイトから、その月の明細をダウンロードするだけ。ここで効いてくるのが、事業用とプライベートの口座・カードをできるだけ分けておくことです。混ざっていると、どれが経費でどれが私用かを後から仕分けるのが本当に大変。最初に分けておくだけで、月末の作業が驚くほど軽くなります(この話は関連記事で詳しく書きました)。
④ 紙のレシート・領収書
最後が、アナログな紙のレシート・領収書です。
リサイクルショップや実店舗での仕入れ、消耗品の購入など、紙でしか残らない支払いは必ずあります。これは、もらったその場で財布から専用の場所(私は月ごとの封筒やクリアファイル)に移すのがコツ。あとでまとめてやろうとすると、レシートは必ずどこかへ消えます。
この①〜④を月末に集めて、ひとまとめにして税理士さんに送る。私の月次経理は、これで終わりです。
会計ソフトを使わない理由|税理士さん任せのメリットとデメリット

ここまで読んで、「会計ソフト(freee やマネーフォワード クラウド会計)を使えばもっとラクなのでは?」と思った方もいるはずです。物販・副業界隈の主流は、間違いなく会計ソフト派です。
でも私は、8年間一度も会計ソフトを使っていません。理由とメリット・デメリットを正直に書きます。
使わない一番の理由は「判断ができないから」
会計ソフトは、とても優秀なツールです。口座やカードを連携すれば、明細を自動で取り込んでくれます。ただし——取り込んだ取引を「どの科目に入れるか」を判断するのは、最終的に自分です。
ソフトは「仕訳の候補」は出してくれますが、合っているかどうかの最終判断は人間がやります。つまり会計ソフトは、「仕訳の判断ができる人」を効率化するツールなんです。判断そのものが苦手な私にとっては、土台が合っていませんでした。
だったら、判断ごと丸ごとお願いできる税理士さんのほうが、私には合っている。これが結論でした。
税理士さん任せのメリット
私が感じているメリットは、大きく3つです。
1. 自分の時間が一切奪われない
月次の作業はデータ集めの数十分だけ。仕訳も決算も自分の手から離れているので、確定申告の時期に徹夜することがありません。物販・ブログ・動画づくりなど、自分がやるべきことに時間を全部回せます。
2. 困ったときに相談できる安心感
私がお願いしている税理士さんは、LINEで気軽に税務相談ができて、万一税務調査が入ったときも対応してくれる約束です。これは有事の保険として、何ものにも代えがたい安心感があります。素人判断で進めて、あとで「実は間違っていました」となるのが一番こわいですから。
3. 数字の精度がプロ品質
自己流で付けた帳簿と、プロが作った帳簿では、当然ながら精度が違います。「正しくできているか不安」というストレスから解放されるのは、想像以上に大きいメリットです。
正直に書く、デメリット
もちろん、いいことばかりではありません。
1. 固定費がかかる
当然ですが、税理士費用という固定費が毎年かかります(私の場合は年66,000円。これは次の章で詳しく)。会計ソフトを自分で使えば、月額千円台で済むケースもあります。
2. 自分に税務知識が貯まりにくい
丸投げしている分、税務の知識は自分にあまり貯まりません。「全部自分で分かっていたい」という人には向きません。ただ私は、そこは割り切って、分かる人に任せると決めています。
3. リアルタイムでは数字が見えない
ソフトなら今この瞬間の損益が見えますが、税理士さん任せだと締めはどうしても後追いになります。ここはプライスターで日々の利益感をつかむことで補っています。
会計ソフトと税理士、どちらが正解ということはありません。**「自分の時間単価」と「税務に向き合う気力」**で選ぶのが現実的です。時間に余裕があって数字が好きならソフト、時間がなく安心を優先するなら税理士。私は完全に後者でした。
税理士費用 ¥66,000の元は取れる|上半期の物販落ち着きとAI・コンテンツへのシフト

私が税理士さんに払っている費用は、年間66,000円です。月あたりにすると5,500円ほど。この金額をどう見るか、という話をします。
「高い」か「安い」かは、何と比べるかで変わる
会計ソフトの月額と単純比較すれば、税理士費用は高く見えます。でも私は、これを**「時間と安心を買う固定費」**だと捉えています。
もし自分で帳簿を付けるとしたら、勉強する時間、毎月仕訳する時間、確定申告期にまとめる時間——ざっと見積もっても、年に何十時間も持っていかれます。その時間を仕入れ・販売・コンテンツづくりに回せば、66,000円分くらいの価値は十分に生み出せる。**「自分の時間を時給換算したら、丸投げのほうが安い」**というのが、8年やってきた実感です。
さらに、税務調査対応やLINE相談という「保険」までついている。これを別で用意しようとしたら、とても66,000円では収まりません。だから私は、この費用を毎年迷わず払う固定費として家計に組み込んでいます。
上半期は物販が少し落ち着き、軸足を移している
ここで正直な近況を書いておきます。実は、今年の上半期は物販の売上が少し落ち着き気味です。右肩上がりだった時期から比べると、少しペースが緩んでいます。
理由は、私自身の軸足が少しずつ移っているから。今年はAIの活用に注力していて、空いた時間をブログ・YouTube・コンテンツ系に振り向けています。物販一本だった頃から、複数の柱を育てるフェーズに入ってきた、という感覚です。
売上が落ち着いた時期こそ、固定費を見直したくなるが…
売上が落ち着くと、つい「税理士費用も削れないか」と考えたくなります。でも私は、ここは削らないと決めています。
なぜなら、物販の規模が変わっても、AIやコンテンツの収入が育ってきても、**「数字をプロに見てもらえる安心」**の価値は変わらないからです。むしろ収入の柱が増えて複雑になるほど、専門家がいる安心感は増していきます。
固定費の見直しは大事ですが、「削っていい固定費」と「守るべき固定費」を見分けることのほうがもっと大事。私にとって税理士費用は、後者です。66,000円は、安心と時間を買うための、納得して払える固定費なのです。
「溜めがち」を防ぐ最小限ルーティン|月末のレシート整理だけ

最後に、この記事のいちばん伝えたいこと——**「経理を溜めないコツ」を書きます。上半期の帳簿をためてしまう人と、ためない人の差は、才能でも根性でもありません。「ルーティンの設計」**の差です。
溜まる原因は「まとめてやろうとすること」
経理が溜まる人のパターンは、だいたい共通しています。**「あとでまとめてやろう」**とすること。
半年分・1年分をまとめてやろうとすると、量が膨大で気が重くなり、ますます手が止まる。レシートは行方不明になり、明細のダウンロードもどこまでやったか分からなくなる。——この悪循環が「帳簿ためがち」の正体です。
私が溜めずに済んでいるのは、能力が高いからではありません。1回あたりの作業を、これ以上ないくらい小さくしているからです。
私の最小限ルーティンはこれだけ
私が月末にやっていることを、改めて整理します。
- プライスターでその月の売上・利益データを確認
- Amazonセラーセントラルから売上表をダウンロード
- クレジットカードと銀行口座の明細をダウンロード
- 月ごとの封筒に入れておいた紙のレシート・領収書を回収
- 1〜4をまとめて税理士さんに送る
これだけです。早ければ30分、レシートが多い月でも1時間かかりません。仕訳も判断も入っていないので、頭をほとんど使わずに終わります。
コツは「日々の置き場所」を1つ決めておくこと
このルーティンを回すための、たった1つの最重要ポイント。それは**「レシートの置き場所を1つに固定すること」**です。
私はレシートを受け取ったら、その場で月ごとの封筒(またはクリアファイル)に入れます。財布に溜めない、机に放置しない、置き場所を1つに決める。これだけで、月末の回収が「封筒を取り出すだけ」になります。
デジタルのデータ(プライスター・セラーセントラル・カード・口座)は、もともとサイトに記録が残っているので消えません。だから本当に管理が必要なのは、消えてしまう紙のレシートだけ。ここさえ仕組み化すれば、経理は溜まりません。
まとめ:自分でやる部分を減らせば、経理は怖くない
上半期の帳簿をためてしまっても、落ち込む必要はありません。大事なのは、これからの仕組みを変えることです。
- 帳簿付け・申告は、判断できる人(税理士)に任せる
- 自分は「材料集め」だけに徹する
- 集めるのはデータ4種類(プライスター・Amazon・カード・口座)+紙のレシート
- レシートの置き場所を1つに固定し、月末にまとめて送る
この形にしてから、私の経理は「怖いもの」ではなくなりました。物販の売上が落ち着いて、AIやコンテンツに軸足を移している今も、この最小限ルーティンが土台を支えてくれています。
「帳簿、ためてるかも……」と感じた方は、まずレシートの封筒を1つ用意するところから始めてみてください。それだけで、下半期は驚くほど身軽になります。
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