
副業せどり8年目のhiroです。
個人店で新品未開封のCanon PIXUS TS3130Sを¥1,000で仕入れました。古いものだったので念のため開封して動作確認したところ、電源ランプは点灯するが液晶表示と本体動作がNG——完全に初期不良品です。これは売り物にならない、と一瞬手が止まりました。
ここで普通なら**「失敗仕入=¥1,000損失+粗大ゴミ行き」で終わります。けれど私は捨てずにジャンク品としてメルカリに正直に出品しました。結果、2026年5月30日 06時20分に¥2,100 送料込みで売却完了。販売手数料¥210・配送料¥850を差し引いた販売利益は¥1,040**、仕入¥1,000を差し引いた実利益はわずか¥40でほぼトントンです。
「実利益¥40なら時間の無駄では?」と見えるかもしれません。でも今回の本当の価値は、捨てる選択肢との比較で見ないと分かりません。
- 粗大ゴミ料金 ¥500〜¥1,500がゼロ
- クリーンセンター持込の手間がゼロ
- 不良品が場所を占有する精神的負担が解消
- 仕入¥1,000がほぼ全額回収できた
- 加えて¥40の小利益
今回はこのリカバリー戦略を、取引画面の実数字とジャンク市場の構造を交えて、せどり中級者・上級者向けに残しておきます。
新品未開封のはずが初期不良——Canon PIXUS TS3130Sの仕入失敗
個人店で見かけたCanon PIXUS TS3130S。外箱は未開封のシュリンク状態で、見た目には新品そのもの。価格は¥1,000、メルカリの相場感と突き合わせても十分プラスが取れる仕入でした。
ただ、店頭での印象が引っかかります。外箱がやや古い——商品自体は新品未開封ですが、棚に長く眠っていたタイプの空気が出ていました。
家に持ち帰って、出品前に念のため動作確認のため開封しました。せどりでは新品未開封のまま発送するのが基本ですが、長期保管品は買い手とのトラブル防止のため、開封して状態を確認してから「開封済み・新品同様」として出品することもあります。
電源コードを挿してスイッチを入れると、
- 電源ランプは点灯する
- 液晶表示は出ない
- 本体動作(用紙吸込み・ヘッド動作)も確認できない
完全に初期不良でした。長期保管中に内部の電子部品が劣化したのか、もともと不良品が新品として店頭に流れていたのか、原因は分かりません。ただ確実なのは、通常の新品として売れる商品ではないということです。
付属品の状態を確認すると、
- ブラックインク BC-345:新品未使用(動作確認のため開封のみ)
- カラーインク BC-346:新品未使用(動作確認のため開封のみ)
- 箱・取扱説明書・セットアップCD:すべて揃い
インクは動作確認で開封しただけなので新品同様、付属品も完全に揃っている状態でした。
ここで判断ポイントです。
- ¥1,000の損失として割り切って粗大ゴミに出す
- 修理に出す(プリンターの修理代は本体新品より高くなる典型例)
- ジャンク品として正直に出品する
修理はコスト的に論外、捨てるのは¥1,000全額損失。残る選択肢はジャンク出品でした。
捨てる選択肢のコスト:粗大ゴミ料金とクリーンセンター持込の手間
「とりあえず捨てる」を選んだ場合、何が起きるか。意外と見落とされがちですが、捨てるという選択肢自体にコストが乗っています。
粗大ゴミ料金
家庭用プリンターはサイズと自治体によって変わりますが、おおむね粗大ゴミとして¥500〜¥1,500の処理料金が発生します。
- 自治体の粗大ゴミ受付センターに電話・ネット申込
- 指定の処理券(シール)をコンビニ等で購入(¥500〜¥1,500)
- 申込日に指定場所に出す
¥1,000の仕入が**¥500〜¥1,500の処分費を上乗せで失う**。失敗仕入の損失が約2倍に膨らむ計算です。
クリーンセンター持込の手間
「持込なら無料・割安」というルートを使う場合は、
- 自家用車にプリンターを積んで運ぶ
- クリーンセンターまで往復(多くの自治体で郊外立地、片道30分〜1時間)
- 受付・計量・搬入の手続き
ガソリン代・時間・労力が乗ります。実コストで見れば、最低でも¥500〜¥1,000相当の自分の時間を使う場面です。
不良品が場所を占有する精神的負担
捨てる踏ん切りがつかず家に置き続けると、
- 棚や床のスペースを占有
- 「あれ処分しないと…」が頭の片隅に残り続ける
- 数ヶ月寝かすと、後継機が出てさらに価値が下がる
これは数字には出ない、けれど確実に存在するコストです。せどりは在庫管理がコア業務なので、「売り物にならない物が家に残っている状態」自体が稼ぐ動きを鈍らせます。
捨てる選択肢を取った時点で発生するコストを合計すると、
| 項目 | コスト |
|---|---|
| 仕入金額の全額損失 | −¥1,000 |
| 粗大ゴミ料金 | −¥500〜¥1,500 |
| 持込の手間(時間換算) | −¥500〜¥1,000相当 |
| 場所占有・精神コスト | 金額化しづらいが確実にある |
| 捨てる場合の実コスト | −¥2,000〜¥3,500相当 |
¥1,000の失敗が、捨て方を間違えると**−¥2,000〜¥3,500相当の痛み**に化けます。これを回避するルートが、次のジャンク出品です。
ジャンク需要の存在:修理できる人・部品取り・インク目的の買い手
「動かないプリンターに¥2,000払う人なんているの?」と思うかもしれません。でもジャンク市場には確実な需要があります。フリマでジャンク表記の出品を眺めていると、毎日のように動かない家電が成約しているのが分かります。
買い手の主な層は3つ。
1. 修理できる人
家電の修理を趣味にしている層が一定数います。ヤフオク・メルカリでジャンクを集めて自分で直し、動くようにしてから使う・売る・SNSにアップする人たちです。プリンターは構造がシンプルなので、修理動画もYouTubeに大量にあります。「液晶NGなら基板交換で直る可能性がある」と踏んで買う人にとって、¥2,000は十分に手が出る価格帯です。
2. 部品取り
同じ型番の本体を持っていて、特定のパーツだけ壊れた人。ヘッドカバー、給紙ローラー、電源基板、外装パーツ——個別に買うと高い部品が、ジャンク本体¥2,000で全部手に入ります。
これはCanon PIXUSのような長期間販売されたロングセラー機種で特に需要が強いパターンです。TS3130Sは複数年にわたって流通した型番なので、部品取り需要が今でも継続しています。
3. インク目的の買い手
付属インクは動作確認のため開封したのみで、新品同様の状態。BC-345(ブラック)とBC-346(カラー)の2本ともプリンタージャンクと一緒に出品しました(後継機の互換インクはキヤノン 互換インク BC-365 BC-366はこちら(Amazonで見る))。インクだけを目当てに買う層も一定数いるので、本体ジャンク+純正インク同梱という構成は買い手の選択肢を広げます。
この3層の需要が重なるので、ジャンク表記で正直に書いた出品でも、相場の価格で確実に売れる——これがフリマせどりの裏側にあるジャンク市場の構造です。
メルカリでジャンク品として正直に出品:¥2,100で売却(実数字・取引画面の内訳)
ここからが今回の実数字です。
出品タイトル・状態区分
タイトルは検索ヒット重視で、
Canon TS3130S プリンター本体 ジャンク品 インク付き 箱・説明書
状態区分は**「全体的に状態が悪い」**を選択。ジャンク表記とセットで使うのが基本です。
商品説明文:正直に書ききる
ジャンク出品の鉄則は**「状態を正直に・具体的に書く」**こと。期待値を上げて売るとクレーム直行です。私が実際に書いた説明文がこちらです。

ポイントは4つ。
① 不具合の症状を具体的に書く 「電源ランプは点灯しますが、液晶表示や本体動作が確認できず、正常に使用できないためジャンク品として出品します」——買い手が直せるか判断できる情報量で書く。「動きません」だけだとコメント質問が殺到します。
② インクの状態を明記 「動作確認のため開封しています」と書いた上で、「ブラックインク BC-345、カラーインク BC-346 が付属します」と型番まで明記。インク目的の買い手が即決できる情報を提供します。
③ 付属品を全部リストアップ 「箱、説明書、セットアップCDなど、写真に写っているものをお付けします」。部品取り需要の人にとって、付属品が揃っているかは購入判断に直結します。
④ 想定買い手を明記 「修理できる方、部品取り、インク目的の方におすすめです」と書く。買い手側に「自分のことだ」と認識させる一文を入れると、コンバージョン率が変わります。
取引画面の確定数字
出品後、それほど時間を置かずに買い手がつきました。取引画面に表示された確定数字がこちらです。

整理すると、
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 商品代金 | ¥2,100 |
| 販売手数料(10%) | −¥210 |
| 配送料(らくらくメルカリ便) | −¥850 |
| 販売利益 | ¥1,040 |
| 配送の方法 | らくらくメルカリ便 |
| 送料 | 送料込み(出品者負担) |
| 購入日時 | 2026年5月30日 06:20 |
販売利益¥1,040から仕入¥1,000を差し引くと、
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 販売利益 | ¥1,040 |
| 仕入価格 | −¥1,000 |
| 実利益 | ¥40 |
実利益¥40、ほぼトントンです。
Mercari Payでの取引完了
取引完了の画面がこちら。

買い手からは**「良かった」評価**と、「迅速な配送手続きをしていただきありがとうございました」のコメント。ジャンク表記で正直に書いた出品でも、買い手の期待値とズレなければ良い評価で取引が締まります。
詳細の数字内訳も同じ画面で確認できました。

数字上はトントンに見えますが、ここまで読んでいただいた通り、捨てる選択肢と比較した実際のプラスは大きいです。次の章で整理します。
失敗仕入のリカバリー原則:捨てる前に出品試す
最後に、今回の構図を汎用化したルールとして残しておきます。せどりを続けていれば失敗仕入は避けられません。問題は失敗が起きた後の動き方です。
捨てる vs ジャンク出品:実コスト比較
今回のケースを2軸で比較すると、
| 項目 | 捨てる場合 | ジャンク出品(今回) |
|---|---|---|
| 仕入¥1,000の扱い | 全額損失 | ¥1,040回収(手数料・送料差引後) |
| 粗大ゴミ料金 | −¥500〜¥1,500 | ¥0 |
| クリーンセンター持込の手間 | あり(時間・ガソリン) | なし |
| 場所占有 | 処分まで残る | 取引完了で消える |
| 精神コスト | あり | なし |
| 合計の差し引き | −¥2,000〜¥3,500相当 | +¥40 |
差額にすると、捨てるかジャンク出品かで¥2,000〜¥3,500のプラスマイナス差が出ます。¥40の実利益を「微々たるもの」と見るか、「¥2,000〜¥3,500のプラスへの転換点」と見るかで、判断が変わります。
ジャンク出品が成立する商品の条件
何でもジャンクで売れるわけではありません。今回のプリンターのように、
- 型番が明確で需要のある機種(ロングセラー商品・修理動画が出ている機種は強い)
- 付属品が揃っている(部品取り需要・本体価値の底上げ)
- 消耗品に再販価値がある(純正インク・純正バッテリー等は単体で売れる)
- 状態を具体的に書ける不具合(「電源は入るが液晶NG」など、買い手が直せるか判断できる症状)
この条件を満たす商品なら、ジャンク表記でも値段がつきます。逆に水濡れ・落下破損・型番不明は買い手も判断できないので、ジャンク市場でも売れにくいです。
出品時に守るべき3つの鉄則
鉄則1:症状を具体的に書く 「動きません」ではなく「電源ランプは点くが液晶表示は出ない、本体動作も確認できない」。買い手が修理判断・部品判断できる情報量で書く。
鉄則2:付属品を全部書く 箱・説明書・CD・コード類・消耗品。部品取り需要・付属品目的の買い手にとっては、写真と本文の両方でリスト化されているのが買いやすさの条件です。
鉄則3:想定買い手を明記する 「修理できる方・部品取り・インク目的の方におすすめ」。自分が買い手だったら誰向けの商品かを逆算して、本文に1行入れる。検索からの離脱を減らせます。
「失敗仕入=即捨て」の発想を捨てる
せどりをやっていて一番もったいないのが、「不良品=ゴミ」と決めつけて即廃棄するクセです。
今回のような中級者・上級者向けのテクニックですが、初心者ほど「動かない=価値ゼロ」と判断しがち。市場にはあなたが想像しない買い手層がいて、彼らにとっては動かない家電も価値ある商品です。
捨てる前に1分だけ、**「メルカリで型番+ジャンクで検索」**してみる。SOLDが並んでいれば、それが市場の答えです。
仕入の質を上げる教訓
最後に、そもそも失敗仕入を減らす視点。今回は外箱が古いという店頭のサインがあったので、**「未開封でも長期保管品は買う前に動作確認の交渉をする」**のが本来あるべき動きでした。個人店なら開封確認をお願いできる店もあります。
以前書いたリサイクルショップ仕入の失敗談でも同じ構造の話をしましたが、せどりは**「仕入の精度を上げるルール」と「失敗が起きた後のリカバリーのルール」**の両輪です。今回はリカバリー側のルールを補強する一例として記録しておきます。