
副業せどり8年目のhiroです。
せどりを長く続けていると、成功と失敗が、まるでコインの裏表のように並んで起きることがあります。今日はそれを地でいくような、対照的な2つの仕入れ実例を正直にお話しします。
ひとつは、最近このブログでも記事にした「コンビニでのポケカ仕入れ」。これは、やり方さえ知っていれば誰でも同じように再現できる、堅実な成功例です。
もうひとつは、個人経営の店で、店主に「これは珍しいから儲かるで」と勧められて、古いポストカードがたくさん入ったバインダーのようなものを¥10,000で買った話。こちらは大してリサーチもせず買った結果、ほとんど売れずに、いまも立派な不良在庫として手元に残っています。
成功した仕入れと、失敗した仕入れ。この2つを並べて見ると、「何が両者を分けたのか」がくっきり見えてきます。同じ失敗を避けたい人に向けて、現場で感じたことをそのまま残しておきます。
コンビニ仕入れの再現性が高い理由
まず、うまくいった方から。
最近このブログで、セブン-イレブンでのポケカ(ポケモンカード)仕入れについて何本か書きました。MEGAスターターセットexのような通常販売の商品を、レジ奥のタバコ棚から店員さんに声をかけて出してもらい、Keepaで相場を確認したうえで仕入れる——という、地味だけれど堅実な手法です。
この手法の一番の強みは、再現性が高いことだと思っています。再現性が高い、というのはつまり「やり方を真似すれば、誰がやっても近い結果になりやすい」ということです。
なぜ再現性が高いのか。理由は3つあります。
ひとつ目は、商品が標準化されていること。コンビニに並ぶポケカは、全国どの店でも同じ型番・同じ定価です。「この店だけの掘り出し物」ではなく、相場もはっきりしているので、買う前にスマホで現在の販売価格や売れ行きを確認できます。判断の材料が、最初からそろっているわけです。
ふたつ目は、仕入れ値が一定なこと。定価販売なので、足元を見られて高く売りつけられることがありません。利益が出るかどうかは「相場」と「定価」の差だけで決まり、計算がシンプルです。
みっつ目は、1回あたりの金額が小さいこと。1個¥1,800前後なので、仮に読みが外れても、傷が浅くて済みます。小さく試して、当たれば数を伸ばす——というやり方が取れます。
実際に2店舗を歩いて回って追加分を確保した実践記録はこちらの記事に、仕入れたポケカをあえて半年寝かせる判断の構造はこちらの記事に、それぞれ実数字つきで残しています。利益は派手ではありませんが、**「調べてから買う」「金額を小さく刻む」**という基本に忠実なので、大ケガをしにくい。これがコンビニ仕入れの再現性の正体です。

そして今日の本題は、ここからです。この「再現性の高い成功」と、まったく逆の失敗を、私は同じ時期にやらかしています。
「店主の言葉を鵜呑み」は危険|個人店仕入れの教訓
舞台は、個人経営のとある中古店です。
個人店には、大手チェーンにはない掘り出し物が眠っていることがあります。実際、私も個人店の棚の奥で見つけた未開封品を10倍で売り切った経験があり、それはこちらの記事に書きました。だから私は、個人店そのものを否定したいわけではありません。むしろ宝の山になり得る場所だと思っています。
問題は、その日の私の買い方でした。
棚を眺めていた私に、店主が声をかけてきました。「お兄ちゃん、これ珍しいで。コレクターが探しとるやつや。仕入れたら儲かるで」。そう言って差し出してきたのが、古いポストカードがびっしり入った、分厚いバインダーのようなものでした。
正直に言うと、私はこのジャンルにまったく詳しくありませんでした。それでも、店主の自信たっぷりの口ぶりと、「珍しい」「コレクターが探している」という言葉に、すっかり引っ張られてしまった。**「プロっぽい人がそう言うんだから、きっと価値があるんだろう」**と。
ここに、せどりで一番やってはいけない落とし穴があります。店主は、せどらーの味方ではないということです。
冷静に考えれば当たり前の話です。店主の仕事は、在庫を高く売ること。とくに、自分の店で長く売れ残っている商品ほど、「これは珍しい」と背中を押して、買ってもらいたいインセンティブが働きます。悪意があるとは限りません。本人も本気で価値があると思っているのかもしれない。でも、その言葉が客観的な相場データに基づいているとは限らないのです。
大手チェーンの値付けがネット相場を参照するのに対し、個人店の値付けは店主の感覚に大きく左右されます。それは掘り出し物が生まれる理由であると同時に、「相場とズレた強気の値付け」が紛れ込む理由でもあります。同じ「店主の感覚」が、安い宝にも、高い罠にもなる。だからこそ、最後に頼るべきは店主の言葉ではなく、自分で調べた数字でなければいけませんでした。
このとき私は、それをやらなかった。店主の言葉を鵜呑みにして、財布を開いてしまったのです。
¥10,000ポストカードバインダーが不良在庫になった理由
買った金額は、¥10,000でした。
せどりの仕入れとしては、決して小さくない額です。先ほどのポケカが1個¥1,800前後だったことを思い出してください。1回の判断で、ポケカ5個分以上の金額を、ろくに調べもせず一気に投じたことになります。
家に持ち帰って、ようやく落ち着いてリサーチを始めました。そして、買ったあとで青ざめるという、一番やってはいけない順番を踏むことになります。
調べて分かったのは、こういうことでした。
まず、そのポストカードたちの「相場」が、どこにも見当たらない。メルカリで似たものを検索しても、売り切れの実績がほとんど出てこない。つまり、実際に誰かがお金を出して買った形跡が乏しいということです。「珍しい」ことと「売れる」ことは、まったく別問題だと、このとき痛感しました。世の中に少ないからといって、それを欲しがる人がいるとは限らないのです。
次に、バインダーという「セット」で買ってしまったことの厄介さ。中には価値のありそうな1枚も混じっているかもしれませんが、大半は需要の読めない古いカード。これを1枚ずつバラして売るのは膨大な手間がかかり、かといってバインダーごと売ろうにも、「このセットを¥10,000以上で欲しい」という人を見つけるのは至難の業でした。
結果、このバインダーは売れ残りました。出品しても反応は薄く、ときどき思い出したように値下げしてみるものの、買い手はつかない。いまも手元にあって、¥10,000という仕入れ資金を、ずるずると拘束し続けている——これが、私のポストカード不良在庫の現状です。具体的な回収額をここで盛って書くつもりはありませんが、少なくとも「儲かった」と言える状態には、一度もなっていないとだけ、正直に書いておきます。

もう一つ、あとから効いてきたのが**「資金の拘束」という見えにくいコストです。¥10,000が売れないバインダーに変わって動かせなくなった、ということは、その間ずっと「次の仕入れに使えたはずの¥10,000」を失い続けているのと同じです。せどりの資金は、回転してこそ利益を生みます。ポケカのように¥1,800を仕入れて数週間で回収できていれば、同じ¥10,000で何度も挑戦できたはずでした。不良在庫の本当の痛みは、赤字の金額そのものよりも、「お金が止まっている時間」**にあると、このとき身に染みて分かりました。
失敗の本質は、ポストカードというジャンルが悪かったからではありません。「調べる前に買った」という、買い方そのものにありました。同じ私が、ポケカでは「調べてから・小さく」買い、ポストカードでは「調べずに・大きく」買った。手法の差ではなく、手順の差が、成功と失敗を分けたのです。そして厄介なことに、この手順は他人が見ていないところで省略できてしまう。誰にも急かされていないのに、自分で勝手に飛ばしてしまった。だからこそ、ルールとして固定しておく価値があると痛感しました。
同じ失敗を避けるための、仕入れ前リサーチ3ステップ
では、あのとき何をしていれば、¥10,000を溶かさずに済んだのか。失敗を分解して、私が今は必ず通すようにしている仕入れ前リサーチの3ステップにまとめます。難しいことは何もありません。順番にやるだけです。
ステップ1:メルカリで「売り切れ(SOLD)」を調べる。
これが一番大事です。出品中の価格ではなく、実際に売れた価格を見ます。メルカリの検索で商品名や型番を入れ、「販売状況:売り切れ」で絞り込む。ここにいくつもSOLDが並んでいれば、需要がある証拠です。逆に、あのポストカードのように売り切れがほとんど出てこないなら、それは「欲しい人がほぼいない」というサイン。私はこれを最初にやらなかったために失敗しました。せどりにおける需要の有無は、誰かの感想ではなく、この売り切れ実績で判断します。
ステップ2:Amazonの相場をざっくり確認する(触れるなら必ず実画面で)。
販路としてAmazonも視野に入るなら、現在の販売価格と、出品制限の有無を確認します。私は過去に、相場だけ見て出品制限を見落とし、体重計10個を不良在庫にした苦い失敗もしています(その顛末はこちらの記事に書きました)。Amazonの相場や参考価格に触れるときは、記憶や推測ではなく、必ずその場で実際の画面やKeepaで確認する。これは自分への戒めでもあります。
ステップ3:販売チャネルを決めてから買う。
「これはどこで、いくらで、どうやって売るのか」を、買う前に頭の中で一周させます。メルカリで1点もので売るのか、Amazonで数を回すのか。ポストカードのバインダーで私がつまずいたのは、ここでした。「セットで売るのか、バラして売るのか」すら決めないまま買ったので、家に帰ってから出口を見失ったのです。**出口を決められない仕入れは、入口で見送る。**これだけで、防げる失敗はかなりあります。

この3ステップは、慣れれば店頭でスマホ片手に数分で終わります。ポケカ仕入れでは、私は無意識にこれを通していました。ポストカードでは、店主の言葉に押されて全部すっ飛ばした。たった数分の手間をかけるかどうかが、¥10,000の明暗を分けたのだと、今では思っています。
失敗から学ぶ仕入れ判断軸|「珍しい」より「売れる」を見る
最後に、この2つの実例から私が得た、一番大事な判断軸をまとめます。
それは、「珍しい」より「売れる」を見る、ということです。
せどりを始めたばかりの頃は、つい「レア」「限定」「廃番」「コレクター需要」といった言葉に心が躍ります。あのポストカードで私が引っかかったのも、まさにそこでした。でも、8年やってきて確信しているのは、「珍しさ」は利益を保証しないし、価格の根拠にもならないということです。
利益の根拠になるのは、ただ一つ。「実際にその値段で買った人がいる」という事実だけです。メルカリの売り切れ実績、Amazonの販売履歴——こうした過去に成立した取引こそが、唯一信頼できる価格の裏付けです。どれだけ珍しくても、買った人の実績がなければ、それは「珍しいだけのもの」であって、「売れるもの」ではありません。
成功したポケカ仕入れと、失敗したポストカード仕入れ。両者の違いを一行でまとめるなら、こうなります。
- ポケカ=「売れる」が数字で見えていたから買った
- ポストカード=「珍しい」と言われて買った(売れるかは見ていなかった)
ね、こうやって並べると、当たり前すぎて笑ってしまうくらいシンプルなのです。でも、店頭で店主に「儲かるで」と笑顔で勧められると、この当たり前が、すっと頭から抜けてしまう。だから私は、自分への約束として**「人の言葉ではなく、売り切れ実績で判断する」**を、仕入れの一番上に置くようにしました。
不良在庫のポストカードは、今も手元にあります。正直、見るたびに少し胃が痛みます。でも私はこれを、¥10,000で買った授業料だと思うことにしました。この一件があったからこそ、今は店頭で甘い言葉をかけられても、いったん立ち止まってスマホを開ける。皮肉なことに、あの失敗が、その後の堅実な仕入れを支えてくれています。
「珍しいから儲かる」は、売り手の言葉です。「売れるから仕入れる」は、買い手であるせどらーが自分で出すべき結論です。この主語の違いを、私は¥10,000かけて学びました。
あなたが店頭で「これは珍しい」と勧められたら、どうか一度、スマホを開いてみてください。メルカリの売り切れを、ほんの数分調べるだけでいい。そこにいくつもSOLDが並んでいれば、それは本物のチャンスかもしれません。何も出てこなければ——たぶん、私のポストカードと同じ運命をたどります。
もう一つだけ、付け加えさせてください。失敗したからといって、個人店から足が遠のいたわけではありません。むしろ、あの一件のあとも私は個人店に通い続けていて、棚の奥で良い仕入れに出会えたことも何度もあります。大事なのは「店を避ける」ことではなく、「買い方を変える」ことです。甘い言葉は聞き流していい。でも、その店にしかない掘り出し物は、ちゃんと自分の目と数字で拾いにいく。失敗の教訓は、「もう近づかない」ではなく「次はこう買う」に変換してこそ、はじめて財産になります。
成功も失敗も、せどりの財産です。今日の2つの実例が、あなたの「買う・見送る」の判断を、少しでも確かなものにできたらうれしいです。
