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個人事業主の保険|国保・小規模企業共済・iDeCoの使い分けで月いくら節税できるか
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個人事業主の保険|国保・小規模企業共済・iDeCoの使い分けで月いくら節税できるか

個人事業主の『保険』は、万一への備えと節税の両方を担います。必須の国民健康保険、退職金代わりの小規模企業共済(月最大7万円・全額所得控除)、年金を自分でつくるiDeCo(月最大6.8万円・全額所得控除)、限定的な生命保険料控除。課税所得500万・800万・1,000万のケースで、掛金をフル活用すると年いくら節税できるのかを試算し、『経費にできるもの・できないもの』も整理しました。3児の父で事業をやっている私も毎年向き合うテーマです。

国民健康保険・小規模企業共済・iDeCoの書類と電卓を机に並べた個人事業主の家計管理風景

3児の父でせどり事業をやっているhiroです。

会社員と違って、個人事業主には「会社がやってくれる」がありません。健康保険も、年金も、退職金も、全部自分で用意する必要があります。だから個人事業主にとっての「保険」は、いざというときの備えであると同時に、うまく使えば強力な節税策にもなります。

特に大きいのが、小規模企業共済iDeCo(個人型確定拠出年金)。この2つは掛金が全額所得控除になるので、「将来のためにお金を積み立てながら、今年の税金を減らす」という、個人事業主にとってかなりおいしい仕組みです。

今回は、個人事業主が押さえておきたい保険・共済を「必須のもの」「節税になるもの」「限定的なもの」に整理し、課税所得500万・800万・1,000万のケースで、掛金をフル活用すると年いくら節税できるのかを試算します。あわせて「経費にできるもの・できないもの」も整理します。

※税金・社会保険の取り扱いは制度改正や個人の状況で変わります。本記事は一般的な考え方の紹介であり、正確な金額や加入可否は最新の情報・各制度の公式サイト・税理士など専門家にご確認ください。

💡 日本の就業者のうち、自営業・個人事業主はおよそ1割(総務省・労働力調査ベース)。さらに小規模企業共済やiDeCoを『節税まで意識して』使いこなしている人は、そのまた一部です。ここを読みに来ている時点で、あなたは堅実派の少数派です。

個人事業主の「保険」を3つに分けて考える

最初に全体像を整理します。個人事業主が向き合う保険・共済は、役割で分けると次の3グループです。

  • ① 必須(入らない選択肢がない):国民健康保険・国民年金
  • ② 節税の主役(全額所得控除):小規模企業共済・iDeCo
  • ③ 限定的(控除はあるが上限が小さい):民間の生命保険・医療保険

①は義務なので選ぶ余地はありません。節税の腕の見せどころは②で、③はおまけくらいの位置づけです。順番に見ていきます。

① 国民健康保険・国民年金(必須)

まず避けて通れないのが、国民健康保険(国保)国民年金です。

国民健康保険

会社員の健康保険にあたるのが、個人事業主の国保です。保険料は前年の所得をもとに、お住まいの自治体ごとに計算されます。所得が増えれば保険料も上がる仕組みで、上限額(年間の上限)も設けられています。

ここで覚えておきたいのは、国保の保険料は「経費」ではなく「社会保険料控除」として全額が所得控除になるという点です(詳しくは後半の「経費にできるもの・できないもの」で)。

国民年金

国民年金も必須です。こちらも支払った保険料は全額が社会保険料控除になります。

なお、個人事業主は会社員のような厚生年金がないぶん、将来もらえる年金が手薄になりがちです。だからこそ、後で出てくる小規模企業共済やiDeCoで「自分の退職金・年金」を上乗せしていく発想が大事になります。

国民健康保険と国民年金が前年所得をもとに決まる仕組みを示したシンプルな図解

② 小規模企業共済とiDeCo(節税の主役)

ここが本題です。個人事業主の節税で、まず検討すべき二本柱です。

小規模企業共済|個人事業主の「退職金」を自分でつくる

小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者が、自分の退職金を積み立てるための国の制度(運営は中小機構)です。

  • 掛金:月1,000円〜70,000円(500円単位で設定可、年間最大84万円)
  • 節税効果:掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)
  • 受け取り:廃業・退職時などに、退職金または年金形式で受け取れる
  • ポイント:途中で掛金の増減もでき、いざというときは掛金の範囲内で貸付制度も使える

月7万円・年84万円を掛ければ、それがまるごと所得から差し引かれます。「将来の自分への退職金」を積み立てながら、今年の課税所得を84万円も圧縮できるわけです。これは会社員にはない、個人事業主だけの大きな武器です。

iDeCo|年金を自分で上乗せする

**iDeCo(個人型確定拠出年金)**は、自分で積み立てて運用し、老後に受け取る私的年金制度です。

  • 掛金(個人事業主の場合):月最大68,000円(年間最大816,000円)
  • 節税効果:掛金は全額が所得控除(こちらも小規模企業共済等掛金控除の枠)
  • 運用益も非課税:積み立てたお金を投資信託などで運用でき、その利益にも税金がかからない
  • 注意点:原則60歳まで引き出せない。国民年金基金や付加年金と合わせて月68,000円が上限

iDeCoの強みは、**「掛金で所得控除」+「運用益も非課税」**の二段構え。長期で積み立てるほど効いてきます。一方で、60歳まで引き出せないという流動性のデメリットがあるので、生活防衛資金を確保したうえで無理のない金額にするのが鉄則です。

2つは「別枠」でフル活用できる

ここが大事なポイント。小規模企業共済とiDeCoは、別々の枠です。

  • 小規模企業共済:年最大84万円
  • iDeCo:年最大81.6万円

両方フルに使えば、合計で年165.6万円もの所得控除をつくれます。この控除が、課税所得を直接削ってくれます。次の章で、これがいくらの節税になるかを具体的に見ます。

🛡️ 保険の見直しは「守り」とセットで

共済やiDeCoで攻めの節税をする前に、まずは民間の保険にムダがないかの見直しを。私は生命保険を「死亡保障と、がん保障だけ」に絞り込みました。考え方は関連記事にまとめています。

課税所得500万・800万・1,000万|年いくら節税できるか

それでは本題の試算です。小規模企業共済(年84万円)とiDeCo(年81.6万円)を両方フル活用し、合計165.6万円を所得控除した場合、年いくら税金が減るかを概算します。

節税額は「控除額 × その人の税率(所得税+住民税)」でざっくり計算できます。住民税は所得にかかわらず一律約10%。所得税は課税所得が高いほど税率が上がる「累進」です。

課税所得(目安) 所得税率 +住民税 合計税率の目安 165.6万円控除での節税額(年・概算)
500万円 20% 10% 約30% 約49.7万円
800万円 23% 10% 約33% 約54.6万円
1,000万円 33% 10% 約43% 約71.2万円

※所得税率は2026年6月時点の累進税率の区分に基づく概算です。実際には控除によって課税所得の区分自体が動くケースや、復興特別所得税(所得税額の2.1%)などもあるため、あくまで目安として捉えてください。

ポイントは、課税所得が高い人ほど、同じ掛金でも節税額が大きくなることです。課税所得1,000万円クラスなら、フル活用で年70万円前後の税金が減る計算になります。

月額に直すと、課税所得500万円の人でひと月あたり約4万円、1,000万円の人でひと月あたり約6万円の節税。しかもそのお金は税金として消えるのではなく、自分の退職金・年金として積み上がっていくわけです。「払う」のではなく「自分の口座に移す」感覚に近い。ここが、個人事業主が小規模企業共済とiDeCoを最優先で検討すべき理由です。

無理にフル活用しなくていい

ただし注意点も。iDeCoは60歳まで引き出せず、小規模企業共済も基本は廃業・退職時の受け取りです。手元の現金が薄くなると、せどりの仕入れ資金や、急な出費に対応できなくなります

節税額の大きさに目を奪われて、生活や事業が回らなくなっては本末転倒です。まず生活防衛資金と仕入れ資金を確保し、余力の範囲で掛金を決める。節税は「余ったお金の置き場所を最適化する」くらいの順番がちょうどいいと思います。

小規模企業共済とiDeCoの掛金が所得控除で税金を減らす仕組みを示した図解

③ 民間の生命保険・医療保険(控除は限定的)

最後に、民間の生命保険・医療保険です。これらにも「生命保険料控除」がありますが、②に比べると節税効果はかなり限定的です。

生命保険料控除は、「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3区分があり、それぞれ所得税で最大4万円、合計でも最大12万円までしか所得控除になりません。

小規模企業共済(84万円)やiDeCo(81.6万円)が全額控除なのと比べると、桁が違います。つまり、「節税のために」生命保険にたくさん入る意味はほとんどないということです。

民間の保険は、あくまで「万一のときに家族を守る」という保障目的で、必要な分だけ入るのが基本。節税は小規模企業共済とiDeCoでやり、保障は保障で割り切る。この切り分けが大事です。

私自身も、生命保険は「死亡保障」と「がん保障」だけに絞り込んで、貯蓄性のあるタイプや過剰な特約は外しました。保険の見直しについては、関連記事も参考にしてみてください。

経費にできるもの・できないもの

個人事業主がよく混乱するのが、「この保険、経費にできるの?」という問題です。最後にここを整理します。

経費にできるもの(事業の支出)

  • 事業用の損害保険:店舗・事務所・在庫(商品)にかける火災保険・損害保険料
  • 賠償責任保険など、事業活動にひもづく保険

これらは「事業のための支出」なので、必要経費として売上から差し引けます。

経費にできないもの(所得控除になるもの)

  • 国民健康保険・国民年金 → 経費ではなく社会保険料控除
  • 小規模企業共済・iDeCo → 経費ではなく小規模企業共済等掛金控除
  • 民間の生命保険・医療保険 → 経費ではなく生命保険料控除

ここを間違える人が本当に多いのですが、国保も共済もiDeCoも生命保険も「経費」ではありません。これらは事業の経費(青色申告決算書)ではなく、確定申告書の「所得控除」の欄で差し引くものです。

「経費」も「所得控除」も、最終的に税金を減らす効果は同じ方向ですが、書く場所が違う。ここを取り違えると申告ミスにつながります。判断に迷ったら、税理士に確認するのが確実です。私も税務の判断は自分で抱え込まず、税理士に任せています。

経費になる保険と所得控除になる保険を2つの箱に仕分けしたシンプルな図解

まとめ:守りながら、いちばん効率よく節税する

個人事業主の保険・共済を、もう一度整理します。

  • 国民健康保険・国民年金:必須。支払いは全額が社会保険料控除
  • 小規模企業共済(月最大7万円):退職金を自分でつくりながら全額所得控除
  • iDeCo(月最大6.8万円):年金を上乗せしつつ全額所得控除、運用益も非課税
  • この2つは別枠で、フル活用すれば年165.6万円の所得控除
  • 課税所得が高い人ほど効果大。1,000万円クラスなら年70万円前後の節税
  • 民間の生命保険は控除が限定的。節税は共済・iDeCo、保障は保障で割り切る
  • 国保も共済もiDeCoも生命保険も「経費」ではなく「所得控除

個人事業主は、会社が守ってくれない代わりに、自分で「守り」と「節税」を同時に設計できる自由があります。小規模企業共済とiDeCoは、その自由をいちばん効率よく使える制度です。

ただし、流動性には要注意。生活防衛資金と仕入れ資金を先に確保したうえで、余力で掛金を決める。この順番さえ守れば、個人事業主の保険・共済は、将来の安心と今年の節税を両取りできる、心強い味方になります。


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物販副業8年 / 資産1,000万超 / 46歳独立・50歳セミFIRE目標

物販・節税・買い方の知識を、実体験ベースで書いています。 「知識の差がお得の差になる」——そう思って、ずっとやってきた実践をそのまま公開します。

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