
物販8年目のhiroです。
昨日の夜、フリマアプリの通知が鳴りました。売れたのは、4年ほど前に古物市場で「山買い」した在庫です。
- 売れたもの:モンゴ流コンディショナー EX 200ml ×5本セット(新品未開封)
- 売れた金額:¥1,850(送料込み・出品者負担)
- 売れた日時:2026年8月19日 22:54
- この5本の仕入原価:¥100(1本¥20 × 5本)
仕入原価¥100の商品が¥1,850で売れた、という話です。
ただ、この記事で本当に書きたいのはそこではありません。「なぜ4年前の在庫が、いまだに現金に変わり続けているのか」のほうです。
💡 山買いは「安く買う技術」ではなく、「売り切る出口を持っているかどうか」の勝負。出口がないまま安さに飛びつくと、家が倉庫になる。
1. まず数字:¥1,850のうち、いくら残ったのか

売れた金額から引かれるものを、全部並べます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 販売価格 | ¥1,850 |
| 販売手数料(5%・税込) | ▲約¥93 |
| 送料|宅急便コンパクト(EAZY) | ▲¥490 |
| 専用BOX代 | ▲¥70〜 |
| 仕入原価(¥20 × 5本) | ▲¥100 |
| 手残り | 約¥1,100 |
| 利益率 | 約59% |
| ROI(投下¥100に対する回収) | 約11倍 |
ひとつ、正直に書いておきます。私は最初、暗算で「¥1,300〜1,500くらい残るだろう」と思っていました。 実際に手数料・送料・BOX代を1円単位で引いたらおよそ¥1,100でした。ざっくり¥300ほど、自分に有利な方向に間違えていたわけです。
この差が出た理由ははっきりしています。送料と資材費を「引くもの」として最初から数えていなかったからです。自己発送は、売値から手数料を引いた額がそのまま入るわけではありません。Amazonの自己発送で安全靴を売ったときの記事でも同じ間違いをやりかけました。自己発送の利益は「売値 − 手数料 − 送料 − 資材費 − 仕入」。この5項目を毎回書き出す以外に、防ぐ方法はないと思っています。
なお、Yahoo!フリマの販売手数料は5%(税込)、宅急便コンパクト(EAZY)の送料は出品者負担で一律¥490、専用BOXは別途¥70から必要です(いずれも2026年8月時点の公式料金)。フリマの手数料と送料は改定が入るので、各社の最新料率をまとめた記事のほうも合わせて確認してください。ネットに残っている「最新版」の記事は、けっこうな確率で古い料率のままです。
2. 古物市場の「山買い」とは何か

ここからが本題です。
古物市場というのは、古物商どうしが中古品を売り買いするための市場です。一般の人は入れません。参加するには古物商許可が要ります(古物市場に参加する時点で必要になります)。リサイクルショップやリユース業者が、店に並べる前の商品を仕入れてくる場所——というのがいちばん近いイメージです。
その古物市場でよくある売り方が、「山買い」です。
- 山=段ボール1箱、カゴ1つ、パレット1山といったまとまり単位
- 中身を1点ずつ値付けするのではなく、その山ぜんぶで「総額いくら」と値をつける
- 決め方は競り。競り人が声を出して、参加者が値を上げていく
- 落とした人が、中身を全部引き取る
つまり、買うか買わないかの判断を、山ごと一発でやるということです。1点ずつKeepaで確認して、ランキングを見て、利益率を計算して……といういつもの仕入れ判断は、ここでは物理的にできません。競りは数十秒で終わります。
山買いの怖さは「安さ」ではなく「量」

山買いの落とし穴は、金額ではありません。引き取った後の量です。
¥10,000で500本を落としたとします。金額としては、失敗しても¥10,000の損で済む。ここだけ見れば安全に見えます。しかし現実には、
- 500本を置く場所が要る
- 500本を1本ずつ検品して、状態を確認しないといけない
- 500本を売り切る出口がないと、ずっと部屋にある
- 化粧品類には使用期限の目安がある。時間は無限にはない
私が古物市場の山買いについて聞かれたとき、いつも最初に言うのはこれです。
💡 「うまくしないと在庫地獄になる」
安いから買う、は山買いでは通用しません。「これを何ヶ月で、どこで、いくらで、どういう単位で売るのか」を落とす前に決めていること。それができていない山は、いくら安くても見送るべきだと思っています。
これはフリマ→フリマのせどりが成立しない理由と同じ構造の話です。仕入ルートの優劣ではなく、出口の設計があるかどうかで結果が決まります。
3. 今回の山:¥10,000で500本、1本あたり¥20

今回の山の中身は、これでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品 | モンゴ流コンディショナー EX 200ml(スカルプケア) |
| 製造販売元 | 株式会社アルファウェイ |
| 状態 | 新品未開封(外装フィルムあり) |
| 落札額 | ¥10,000 |
| 本数 | 約500本 |
| 1本あたり | 約¥20 |
この山を落とした理由は、3つありました。
① 全部が同じ商品だった。 山買いでいちばん厄介なのは「中身がバラバラ」なパターンです。1点ずつ調べないと値段が付けられない。今回は全部が同一商品・同一容量でした。つまり、1本調べれば500本ぶんの判断ができる。これは山買いにおいて決定的に有利です。
② 新品未開封だった。 中古の化粧品は、フリマでも扱いが難しい。未開封であれば「新品未開封品」として説明が書け、写真も撮りやすい。検品も「フィルムが破れていないか」を見るだけで済みます。
③ 1本¥20だった。 ここが最後の決め手です。1本¥20なら、極端な話1本¥200でも10倍。値付けの自由度が異常に高い。相場が読めない商品でも、原価がここまで低いと「相場のほうに自分を合わせられる」。
逆に言えば、この3つが揃わない山は買っていません。 中身がバラバラで、開封済みで、1本¥300のような山は、同じ¥10,000でも見送ります。
4. 出口の設計:「500本を1回で売る」を最初から捨てる

500本を引き取った時点で、私が決めていたのはこれです。
「500本をまとめて売ろうとしない」。
まとめて売る出口——業者への転売、大口のロット販売——は、たしかに一度で終わります。ですがその代わり、1本あたりの単価が一気に落ちます。 ¥20で買ったものが¥50で売れて終わり、みたいな話になる。それだと山買いをした意味がありません。
だから採ったのは逆の作戦です。フリマで、少しずつ、小分けに崩す。
| 売り方 | 1本あたり | 終わるまで | 在庫リスク |
|---|---|---|---|
| 業者にロットでまとめ売り | 安い | すぐ終わる | すぐゼロになる |
| フリマで小分け(今回) | 高い | 年単位で続く | ほぼゼロ(原価が既に回収済み) |
「年単位で続く」は普通ならデメリットです。でも、原価が¥10,000しかない在庫なら話が変わります。
- 早い段階でもう¥10,000ぶんは回収し切っている
- 回収した後に売れるものは、手残りがほぼ丸ごと利益
- 急いで売る理由がないので、値下げ競争に参加しなくていい
- 売れなくても損失は増えない(保管場所のコストだけ)
これは1年半使ったおうちサウナを¥68,520で売った話と同じ考え方です。「回収済みかどうか」で、その後の値付けの強気さが決まる。
出す場所は1つに絞らない

今回売れたのはYahoo!フリマですが、同じ在庫は複数の場所に出しています。
| 販路 | この在庫との相性 |
|---|---|
| Yahoo!フリマ | 手数料5%が効く。今回の成約もここ |
| メルカリ | 母数が最大。ヘアケアは動きが速い |
| ラクマ | 化粧品・美容系の客層が厚い |
| ジモティー | 手渡しなら手数料も送料もゼロ。大量に引き取ってもらえることがある |
同じ商品を客層の違う場所に置いておくと、「どこかで売れる」状態が作れます。この考え方は5つのフリマに同時出品して客層別に売り切る記事に詳しく書きました。
セット本数を変えて出すのも効きます。1本・3本・5本・10本と単位を変えると、まったく別の商品として検索に出ます。今回売れたのは5本セットでした。
5. 宅急便コンパクト(EAZY)が、この商品と相性が良い理由

200mlのボトル5本は、意外と扱いに困るサイズです。ネコポスの厚さ制限には入らないし、宅急便60サイズを使うほど大きくもない。
ここに宅急便コンパクト(EAZY)という区分がはまります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送料(Yahoo!フリマ・出品者負担) | ¥490 |
| 専用BOX代 | ¥70〜(別途購入) |
| サイズ | 厚さ5cm以内 |
| 重さ制限 | なし |
| 発送場所 | セブン-イレブン、ファミリーマート、ヤマト営業所、PUDO など |
この「重さ制限なし」が液体商品では決定的です。厚さの条件さえ満たせば、中身が水物でも追加料金が出ません。宅急便コンパクトの専用BOXは25×20×厚さ5cmですから、200mlボトルなら寝かせて詰められます。送料の考え方はらくらく便とゆうゆう便を全8種で比較した記事に一覧があります。
そして実務でありがたいのがセブン-イレブン発送と置き配です。
- セブン発送:24時間開いている。夜に売れた荷物を、その日のうちに出せる
- 置き配を「許可する」:購入者が受け取りやすくなり、再配達で取引が止まらない
昨日の売れた時刻は22:54でした。この時間に売れて、その日のうちに発送準備まで終えられる。家から出ずに10分で発送を終えるのと同じで、発送のハードルが低いことが、結果的に出品数を増やします。
6. 副業でこれから始める人へ——Amazon FBAだけが物販ではない

物販の情報を集めていると、どうしても「Amazon FBAで新品を回す」という型ばかり出てきます。もちろん有効ですし、私もDAIKOのダウンライトを2個まとめて¥22,000で売ったように、日常的に使っています。
ですが、日本には日本の中古流通ルートがあります。
| ルート | 特徴 |
|---|---|
| Amazon FBA・新品 | 型番が確定し、相場が読める。競合も見える。再現性が高い |
| リサイクル店・アウトレット | 現物を見て買う。1点ずつ判断できる |
| 古物市場(山買い) | 量で安くなる。1点ずつ判断できない。出口の設計がすべて |
この3つは、求められる能力がまったく違います。 FBAが得意な人が山買いで勝てるとは限らないし、その逆もあります。
そして山買いは、古物商許可を取っていないと参加すらできません。 ここが参入障壁です。逆に言えば、許可を取った時点で、競合がぐっと減る場所に立てるということでもあります。
副業から物販を始める人に伝えたいのは、この順番です。
- まず1点ずつの仕入れで、相場と手数料の感覚を作る(ジャンクの公衆電話を¥1,000→¥4,000 くらいの規模で十分)
- 売り切る出口を、実際に自分の手で作る(フリマの評価、発送の型、梱包資材のストック)
- 出口が回り始めてから、量の勝負に行く
逆をやると在庫地獄になります。 出口がないうちに山を買う、というのがいちばん危ない。¥10,000は失っても平気な金額でも、500本の置き場所と500回の梱包は、平気では済みません。
7. 4年経って分かったこと

在庫はまだたっぷり残っています。そして今も、思い出したように売れます。
この案件で学んだことを4つに絞ります。
① 「安く買う」と「儲かる」は別の話。 ¥20で買えた瞬間に勝ちが確定したわけではありません。売り切る出口があってはじめて、¥20が意味を持ちます。
② 大量在庫は、原価を回収した瞬間に性格が変わる。 回収前は「重荷」ですが、回収後は「値下げしなくていい在庫」になります。だから回収を最優先で急ぎ、その後はゆっくり売る。この二段構えが、山買いの正しい回し方だと思っています。
③ 少しずつ売るのは、非効率ではなく戦略。 一度に売れば早い。でも安い。急ぐ必要がない在庫を、わざわざ急いで安く売る理由はありません。
④ 単発の粗利額より、「売れ続けている」ことのほうが価値がある。 今回の手残りは約¥1,100です。金額だけ見れば小さい。ですが、4年前に払った¥10,000が、いまだに¥1,100ずつ現金に変わり続けている——このほうが、1回の大きな粗利より事業としてありがたい。
最後に、正直な注意も書いておきます。
- この案件は、たまたま良い山を引けた面があります。 同じ市場で、売れずに残っている山を抱えた人も見ています
- 化粧品類には使用期限の目安があります。 時間は味方ではありません。回収を急ぐ理由はここにもあります
- 今回の¥1,850・手残り約¥1,100は、この1件の実績値です。 相場も手数料も送料も変わります
- 古物市場に参加するには古物商許可が必要です。 取得要件は各都道府県警のサイトで確認してください
※本記事の金額は、いずれも執筆時点の自分の実績値・設定値です。フリマ各社の手数料・送料、および商品の相場は変動します。
今回使ったツール
プライスター:販路が増えても、利益計算の型は同じ
プライスターは、Amazon出品・在庫管理・価格追従・利益計算をまとめて扱えるツールです。
今回売れたのはフリマ側ですが、「売値 − 手数料 − 送料 − 資材費 − 仕入 = 手残り」という計算の型そのものは、プライスターで毎日Amazonの数字を見ているうちに身についたものです。仕入値を入れた瞬間に粗利と利益率が出る画面を何百回も見ていると、フリマの値付けでも自然と「引かれるもの」を先に数えるようになります。
この記事の冒頭で「暗算だと¥1,300〜1,500に見えた」と書きました。引かれるものを画面に出してくれる道具があると、その¥300のズレが消えます。 30日間の無料お試しがあるので、まず手元の在庫を1つ登録して、粗利の出方を見てみるのが早いと思います。
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