
せどりと物販を8年、毎日どこかで何かを売っているhiroです。
このブログでは、これまで仕入れの実数字をかなり細かく出してきました。ただ、並んでいるのは全部プラスの案件です。
理由は単純で、赤字の案件を記事にしてこなかったからです。今日はそれを1件出します。
先に結論の絵を出します。
| 金額 | 状態 | |
|---|---|---|
| ブラザー A3複合機(本体) | ▲¥4,587(▲16.4%) | 想定(出品中・未販売) |
| 同梱されていた純正インク LC3117-4PK | +¥4,605(88.6%) | 確定(実売済み) |
| 差し引き | +¥18 | — |
+¥18。ほぼぴったりチャラです。「本体で損したぶんを、たまたま入っていたインクが埋めてくれた」という、できすぎた話に見えます。
でも私は、この+¥18を利益として数えていません。 この数字には、足してはいけないものを足している箇所が3つあります。
この記事では、
- ① 赤字の実数字——プライスターの画面をそのまま出します
- ② なぜ+¥18が幻なのか——3つの理由を1つずつ潰します
- ③ そもそもなぜ¥30,000で買ってしまったのか——赤字の原因を仕入れ判断まで戻して分解します
の順で書きます。
①実数字:8月9日、プリンター2台で想定利益 ▲¥6,168

これがプライスターの「仕入れた商品」画面に残っている、2026年8月9日の記録です。
| 項目 | 表示 |
|---|---|
| 仕入れ額 | ¥60,000 |
| 販売予定額 | ¥61,000 |
| 個数 | 2個 |
| 想定利益 | ▲¥6,168 |
| 利益率 | ▲10.1% |
この日はブラザーの中古プリンターを2台まとめて買っています。1台¥30,000×2台で¥60,000です。
そのうち1台——インクが同梱されていたA3複合機の行が、これです。
| 項目 | 表示 |
|---|---|
| 仕入 | ¥30,000 |
| 販売 | ¥28,000 |
| 個数 | 1個 |
| 利益 | ▲¥4,587 |
| 利率 | ▲16.4% |

画面上のステータスは「出品」です。つまりまだ売れていません。 ここは後で効いてくるので覚えておいてください。
見切れている2台目は、逆算すると出せる
スクリーンショットでは2台目の行が下で切れていて、仕入¥30,000までしか見えていません。ただ、この日の合計は画面に出ているので、引き算で出せます。
| 1台目(見えている) | 2台目(逆算) | 合計(画面表示) | |
|---|---|---|---|
| 仕入 | ¥30,000 | ¥30,000 | ¥60,000 |
| 販売予定 | ¥28,000 | ¥33,000 | ¥61,000 |
| 想定利益 | ▲¥4,587 | ▲¥1,581 | ▲¥6,168 |
| 利率 | ▲16.4% | ▲4.8% | ▲10.1% |
※2台目の数字は画面に出ていません。合計から引いた逆算値です。プライスターの利率は「利益÷販売」で、1台目は ▲4,587÷28,000=▲16.4% と表示値に一致するので、同じ式で2台目も▲4.8%になります。
2台とも赤字です。 片方がひどくて片方が助かった、という話ですらありません。
▲¥4,587は、どこで生まれたのか
ここは分解すると身も蓋もない話になります。
仕入 ¥30,000 → 販売価格 ¥28,000
売値のほうが仕入値より¥2,000低い。 この時点で、手数料をひとつも引く前から確定で▲¥2,000です。
そこから販売手数料が引かれて▲¥4,587になっているので、手数料相当は逆算で約¥2,587(売値の約9.2%)ということになります。
| 段階 | 金額 |
|---|---|
| 販売価格 | ¥28,000 |
| 仕入値 | ▲¥30,000 |
| ここまでで | ▲¥2,000 |
| 手数料相当(逆算・概算) | ▲¥2,587 |
| 想定利益 | ▲¥4,587 |
※手数料の内訳はプライスターの明細で1円単位までは確認していません。表示利益と仕入・売値の差から出した概算です。
つまりこれは「相場が下がった」でも「ライバルに追い抜かれた」でもありません。買った瞬間に赤字が確定していたタイプの失敗です。

②同梱インクは確定+¥4,605。差し引き+¥18
一方、このプリンターの箱には未使用の純正インク LC3117-4PK(4色パック)が入っていました。この話は中古プリンターの箱に、未使用の純正インク4本が入っていたで1本書いています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 仕入値 | ¥0(本体代に全部乗せているため) |
| 販売価格 | ¥5,200 |
| 販売手数料 | ▲¥595(11.4%) |
| 粗利 | +¥4,605(88.6%) |

こちらは実際に売れています。確定です。
▲4,587 + 4,605 = +18
+¥18。金額としてはほぼゼロですが、「マイナスではない」という一点で、記事にすると気持ちのいい数字です。
実は8月13日のインクの記事で、私はこんな表を出しています。
| ケース | 本体 | 同梱物 | トータル |
|---|---|---|---|
| B | ▲¥500(赤字) | +¥4,605 | +¥4,105 |
「本体が赤字でも、同梱物で回収できることがある」という説明のための、仮の数字でした。実際の本体は▲¥500どころか、▲¥4,587 で、回収どころかほぼ全部食われていた、というのが答え合わせです。
③この+¥18を、私は利益として数えません
理由は3つあります。
理由1:確定と想定を足している
+¥4,605は売れた金額です。▲¥4,587は売れたらこうなる金額です。
会計の言葉で言えば、片方は実績で、もう片方は見込みです。単位が違うものを足しています。
家計で言うと、「今月入った給料」と「来月入る予定のボーナス」を足して「だから今月は黒字」と言っているのと同じです。ボーナスが減額されたら、その足し算は崩れます。
理由2:本体はまだ売れていない=▲¥4,587はまだ「軽い」ほうの数字
▲¥4,587は「¥28,000で売れたら」の数字です。
A3複合機の中古は、放っておいて勝手に売れる商品ではありません。売るためにさらに値下げすることになれば、赤字は▲¥4,587より深くなります。
- ¥26,000まで下げたら → 赤字はさらに約¥2,000増える
- ¥24,000まで下げたら → さらに約¥4,000増える
つまり▲¥4,587は最悪値ではなく、今のところの最良値です。この数字を「確定した損失」として+¥4,605と相殺するのは、自分に都合がよすぎます。
理由3:+¥4,605からも、まだ引かれるものが残っている
インクは自己発送で売っています。そしてプライスターの粗利には、自己発送の配送料と梱包資材費が入っていません。
これは今朝の記事ツールに出る「粗利」は、まだ手元に残る金額ではないで、実績2件を1円単位で検算したところです。同じ自己発送の案件で、表示粗利と実際の手残りの乖離はこうなりました。
| 案件 | 表示粗利 | 手残り | 乖離 |
|---|---|---|---|
| マルゴ安全靴(Amazon自己発送) | ¥2,159 | 約¥1,556 | ▲27.9% |
| モンゴ流5本(Yahoo!フリマ) | ¥1,657 | 約¥1,097 | ▲33.8% |
| brotherインク(この記事) | ¥4,605 | 算出不能 | — |
インクの回だけ配送料を記録していなかったので、手残りが出せません。ただ、引かれること自体は確実です。

3つを重ねると、+¥18は残らない
| 補正 | +¥18への影響 |
|---|---|
| インクの配送料・資材費 | 確実にマイナス |
| 本体をさらに値下げした場合 | さらにマイナス |
| 本体が売れなかった場合 | ▲¥4,587すら確定していない |
この案件は、今のところプラスではありません。 +¥18という数字は、都合のいい足し算をしたときにだけ現れます。
④なぜ¥30,000で買ってしまったのか
ここが一番書きたくない部分ですが、ここを書かないと記事にする意味がありません。原因は3つに分解できます。

原因1:「A3複合機は高い」という印象で判断した
A3対応のインクジェット複合機は、新品だと価格帯が高いカテゴリです。その印象があると、¥30,000という数字が安く見えます。
でも、新品が高いことと、中古が高く売れることは別です。中古の売値は「新品価格の何割」では決まりません。その型番の、その状態の中古が、今いくらで売れているかでしか決まりません。
型番で相場を取りにいっていれば、¥28,000という天井は仕入れ前に見えていたはずでした。この「相場の見方」については「利益率」で仕入れを決めるのをやめたで、判断軸そのものを組み直した話を書いています。
原因2:大型商品は「赤字の逃げ場」が狭い
小物なら、赤字でも別の販路に出し直す、セットにする、まとめて処分する、といった逃げ道があります。
大型の複合機はそれが全部やりにくい。
| 制約 | 中身 |
|---|---|
| 保管 | 場所を食う。在庫が1台あるだけで棚が埋まる |
| 発送 | 1人で運べない。梱包資材も大型で高い |
| 販路変更 | 送料が重いぶん、他の販路に移しても改善しにくい |
| 値下げ | 買い手の母数が少なく、下げても反応が遅い |
赤字の深さより、赤字から抜けにくいことのほうが問題です。
原因3:2台まとめて買った
この日は同じ¥30,000のプリンターを2台買っています。結果は▲¥4,587と▲¥1,581で、2台とも赤字でした。
1台で試して、売れ方と実際の手残りを見てから2台目を判断していれば、損失は片方で済んでいます。同じ商品を複数持つかどうかの判断については、30箱あっても1個しか買わなかったで「薄在庫を選ぶ理由」を書きました。今回は自分でその逆をやっています。
⑤赤字が確定している在庫を、どう処理するか

現時点の私の方針です。
1. 「取り返す」ことを目標にしない
▲¥4,587を¥0に戻そうとすると、値下げできなくなります。値下げできないと売れません。売れないと在庫として残り続けます。
赤字案件のゴールは、利益を出すことではなく「現金と場所を取り戻すこと」です。
2. 赤字ストッパーを「痛い値段」に置く
プライスターの赤字ストッパー(この値段より下では売らない、という下限)は、本来「損しないため」の機能です。ただ、買った時点で赤字が確定している商品では、役割が変わります。
- 通常の商品 → 利益がゼロになる価格に置く
- 買値割れの商品 → これ以上は持っていたくない、という価格に置く
3. 時間コストを損失に入れて計算する
在庫は、置いてあるだけで資金を拘束します。¥30,000が3か月動かないということは、その¥30,000で回せたはずの仕入れが3か月ぶん消えているということです。
「あと¥2,000下げれば売れる」なら、たいていの場合は下げたほうが安く済みます。 ここの考え方はその仕入れ、本当に利益出てる?とAmazonのFBAと自己発送、私はこう使い分けているで、手残りと拘束の両面から整理しています。
⑥「同梱物で回収できる」を前提に仕入れてはいけない

8月13日のインクの記事に、1つ補足を入れておきます。
あの記事の主張は「本体だけ見て仕入れ判断をしない」でした。これは今も正しいと思っています。箱の中に未使用の消耗品が残っていることは実際にあり、確認しないと損をします。
ただ、今回の答え合わせで分かったのは、その先です。
| やっていいこと | やってはいけないこと |
|---|---|
| 現物を開けて確認し、「ある」と分かってから金額に織り込む | 「入っているかもしれない」を期待値として仕入れ判断に足す |
| 同梱物を本体と別に出品して、需要層を分ける | 同梱物の利益で本体の赤字を埋める前提で買う |
今回、インクは買ったあとに見つけたものです。仕入れの判断材料には一切なっていません。だから、これは救済ではなく偶然です。
そして偶然は、次の仕入れでは起きません。
同じ「中古を開けて確認する」話でも、個人店の『新品未開封・希少品』は10倍で売れるのように、現物の状態そのものが値段になっているケースとは性質が違います。あちらは確認した結果で判断していて、こちらは判断のあとに拾っただけです。
まとめ

2026年8月9日、ブラザーの中古プリンターを2台×¥30,000=¥60,000で仕入れ、プライスター上の想定利益は▲¥6,168(▲10.1%)。うち1台(インクが同梱されていたA3複合機)は仕入¥30,000に対し販売価格¥28,000で、想定利益▲¥4,587(▲16.4%)。売値が仕入値を¥2,000下回っており、手数料を引く前から赤字が確定していた案件です。
同じ箱に入っていた純正インク LC3117-4PK は仕入¥0・販売¥5,200・手数料¥595で、確定粗利+¥4,605(88.6%)。単純に足すと差し引き+¥18でちょうどチャラに見えますが、この足し算は成立しません。
成立しない理由は3つ。①片方は実績・片方は見込みで単位が違う ②本体はまだ売れておらず、▲¥4,587は「¥28,000で売れたら」の最良値であって最悪値ではない ③インクの+¥4,605からも自己発送の配送料と資材費がこれから引かれる(この回は配送料を記録しておらず手残りが算出できない)。
赤字の原因は「A3複合機は高い」という新品の印象で判断したこと、大型商品は赤字から抜ける逃げ道が狭いこと、そして1台で試さずに2台まとめて買ったこと。結果、2台とも赤字(▲¥4,587と▲¥1,581・後者は合計からの逆算値)でした。
赤字在庫のゴールは利益回復ではなく、現金と保管場所の回収。赤字ストッパーは「損しない価格」ではなく「これ以上持っていたくない価格」に置き直し、資金拘束を損失に含めて早く現金化する。
そして「同梱物で回収できる」は仕入れの前提にしてはいけません。今回のインクは買ったあとに見つけた偶然で、判断材料にはなっていない。現物を開けて「ある」と確認してから金額に織り込むのが順番です。
数字が良かった回だけ出していると、ブログは実態から離れていきます。赤字の回も同じ粒度で出すというのを、この記事から始めます。
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